支え合って人をつくり平和を築く テラ・ルネッサンスが世界会議2018を開催

認定NPO法人「テラ・ルネッサンス」の世界会議2018(東京会場)が6月9日、東京・杉並区にある立正佼成会のセレニティホールで開催された。同世界会議は、テラ・ルネッサンスがカンボジア、ラオス、ウガンダ、コンゴ、ブルンジで行う地雷・不発弾処理や元子ども兵の社会復帰支援などの活動成果を報告するもの。東京のほか愛知、秋田、京都、広島、佐賀の5府県で開催される。東京会場には支援者約120人が集った。

当日は、ウガンダ事務所所長のオテマ・ジミー氏とカンボジア事務所スタッフのサムリット・ラウ氏が報告に立ち、現地での取り組みを発表した。

ウガンダでは1988年から反政府武装勢力「神の抵抗軍(LRA)」とウガンダ政府軍との紛争が続いている。LRAは村や市街を襲撃し、誘拐した子どもたちを兵士にしてきた。目の前で両親を殺されるだけでなく、自分たちの生まれ育った村への襲撃を命じられた子どもたちは、心身に大きなストレスを抱え、解放された後も社会復帰を果たすことが難しいといわれる。

ウガンダ事務所で技術支援を受ける子供たち

写真提供:NPO法人テラ・ルネッサンス

内戦下で都市部に逃れてきたオテマ・ジミー氏は、服飾デザインの技術を習得し、2006年からテラ・ルネッサンスで元子ども兵への技術指導を行っている。学校で教育を受けることができなかった彼らの技術の習得に不安を感じていたが、ジミー氏は彼らのトレーニングに打ち込む姿に接し、その思いは消えたという。「子ども兵は凶暴な存在だと恐れられていましたが、彼らはとても礼儀正しく、まじめで一生懸命に技術を覚えようとします」と紹介した。

現在では、ウガンダ事務所で職業訓練を受けた元子ども兵たちが職を得て自立するとともに、今度は自らが人に技術を教えるなど自主的な支援の取り組みが進んでいる。全ての生命が安心して生活できる社会を実現するために、支援を受ける受益者、現地で支援活動を展開するスタッフ、そしてテラ・ルネッサンスの支援者と力を合わせていきたいと語った。

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