アフリカを理解し支援に向けた協働のあり方を探る 「アフリカの新たなビジョン 東京国際会議」
続いて、岡本三成外務省政務官、イタリアのジョルジョ・スタラーチェ駐日大使、アフリカ連合人道問題担当のオラビシ・ダレ部長、中央アフリカのシャルル・アーメル・ドゥバンヌ外務大臣がスピーチ。次いで『アフリカのためのイタリアと日本の協力』と題し、マッシモ・ガイアーニ・イタリア外務省国際局長、国際協力機構(JICA)の加藤宏理事が両国の取り組みを紹介した。
ガイアーニ局長は、欧州のアフリカ投資について説明した上で、人口の6割が24歳未満であるアフリカは人的資源の潜在能力が高く、教育や技術移転を進めれば経済成長が促され、さらなる投資を呼び込むという好循環が見込めると指摘。一方、投資の阻害要因は内戦や紛争であるとし、聖エジディオ共同体がモザンビークなどの内戦を調停し、和平合意を成立させたことに触れながら、平和の構築がアフリカ諸国の発展に最も必要であると述べた。
加藤理事は、アフリカが広大な農地を有し、農業従事者が人口の6割を占めながらも、生産性が低く、日本以上に穀物を輸入に頼っていると説明。農産物の生産性向上は同時に穀物輸入に費やす外貨の節約につながると、JICAが取り組む農業支援事業の意義を語った。
この後も、政府、国際機関、NGOの職員、宗教者らが登壇し、平和構築、食糧、教育、医療、宗教、女性の権利、気候変動といった問題に対し、それぞれの見地から意見を述べた。