UAEで国際ムスリム共同体会議 光祥次代会長が日本の仏教徒として出席

続いて、元アルバニア大統領のレジェプ・メイダニ氏、世界の少数派問題に関する国連会議のタリク・アル・クルディ会長、光祥次代会長、欧州委員会地方自治体会議のアンドレアス・クレイヴァー事務総長の4人がそれぞれスピーチを行った。

メイダニ氏は、多数派市民と少数派ムスリムとの摩擦によって生じている社会問題の要因を、多数派に同化・適応できないとの理由で少数派に向けるのは正義に欠けると指摘。共存のためには「互いに歩み寄るべきである」と強調した。クルディ会長は、少数派ムスリムが実際に直面している課題をイスラーム共同体で共有し、国際社会に訴えていくことが「変化を促す大きなきっかけになる」と述べ、会議に期待を寄せた。

開会式でスピーチに立つ光祥次代会長

この後、スピーチに立った光祥次代会長は冒頭、日本でムスリムが増えている現状や、WCRP/RfP日本委員会が昨年からシリア難民の青年を留学生として受け入れている取り組みを紹介した。さらに、仏教の「縁起」を挙げ、「全ての物事は出会う縁によって生起する」と説明。その上で、多数派、少数派であるかは社会によって異なり、絶対ではないとし、「自分が自分以外の全ての存在によって生かされていることを実感し、全てのものと『共にある』ことに目覚めることが大切」と訴えた。

また、人間は皆、「内面に善き心と悪(あ)しき心をともに具(そな)え、出会う縁によって変化する、弱い存在」であり、暴力によって解決するという欲望を制御していくことが重要と強調。宗教者は自らを育てるとともに、暴力に訴えている人をも神仏の教えに導き、寛容の心を育て、共生の世界をつくっていく役割があると述べた。

2日間にわたる会議では、少数派ムスリムの市民権の保障、世界的に広がるイスラモフォビアへの対応、多元的文化の促進に向けたイスラームコミュニティーの役割など、九つのテーマに分かれて会合が開かれた。

光祥次代会長スピーチ要旨

国際ムスリム共同体会議での光祥次代会長のスピーチ映像
「スピーチドキュメント 平和への声」(立正佼成会ウェブサイト)

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