UAEで国際ムスリム共同体会議 光祥次代会長が日本の仏教徒として出席

宗教的少数派の権利を守り、共生の実現へーー宗教者、政治指導者、研究者ら550人が意見を交わした

『非ムスリム社会におけるイスラームの未来――チャンスとチャレンジ』をテーマに「国際ムスリム共同体会議」が5月8、9の両日、アラブ首長国連邦(UAE)・アブダビ市内のホテルで開催された。ムスリム(イスラーム教徒)少数派の国々のイスラーム聖職者を中心に140カ国から諸宗教代表者、政治指導者、研究者ら550人以上が参加。正式招待者として出席した立正佼成会の庭野光祥次代会長が開会式でスピーチを行った。

主催者のナヒヤーン国務大臣

現在、世界のムスリム人口は16億人を超え、そのうち約5億人が非イスラーム国家に宗教的少数派として暮らしている。近年、イスラームの名を借りた過激派によるテロリズムが頻発するに伴い、社会の少数派のムスリムはイスラモフォビア(イスラーム恐怖症)の対象として差別や迫害を受け、人権問題となっている。

今回の国際会議は、UAEのシェイク・ナヒヤーン・ビン・M・アール・ナヒヤーン国務大臣(寛容担当)の呼び掛けで行われた。宗教的少数派の権利擁護、暴力からの子供たちの保護など少数派ムスリムが直面する問題を共有し、異なる宗教や文化を持つ人々の共生を図る方策を国際社会に働き掛けるためのものだ。

会議に先立つ今年3月、今回の会議で議長を務めたUAE・アブダビ首長国のアリー・アル・ヌアイミー教育・知識庁長官が本会本部を訪問し、世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)国際共同議長や「アブドッラー国王宗教・文化間対話のための国際センター」(KAICIID)理事を務める光祥次代会長と会談。席上、光祥次代会長はヌアイミー長官から会議への参加要請を受け、今回、正式招待者として出席した。

8日の開会式でナヒヤーン大臣は、グローバル化が進む中、各国の社会は宗教、民族、文化などの違いを超え、少数派と多数派の良好な関係を構築しなければならないと強調。会議を通して、相違を認めて他者を受け入れる共生の意識、寛容の精神について共に考え、イスラームのみならず抑圧されている全ての少数派の権利擁護の必要性を国際社会に発信する意向を示した。

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