熊本地震から2年 「熊本地震被災者大法要」を営み、「復興イベント2018」開催
熊本地震から2年を迎えた。立正佼成会熊本教会は4月14日、教会道場で「熊本地震被災者大法要(三回忌)」を厳修した。翌15日には「熊本地震復興イベント2018」を開催。犠牲者に慰霊の誠を捧げるとともに、復興への思いを新たにした。
2016年4月14日夜と16日未明に震度7を記録した熊本地震。熊本、大分両県では、これまでに直接死50人と関連死212人、地震後の豪雨による5人の計267人が犠牲になった。住宅4万3399棟が全半壊し、今年3月末時点で3万8112人が仮設住宅などで避難生活を続けている。
14日の大法要では、1分間の黙とうの後、読経供養が行われ、直接的な被害による震災の犠牲者の戒名が読み上げられた。続いて、熊本市内に住む女性会員(69)が体験説法に立ち、震災後に被災した住民に対する炊き出しや毛布の配布などのボランティア活動に尽くした当時を振り返り、互いの支え合いの中で信仰を深めることができた日々を述懐した。
次いで、柴垣多加志教会長(南九州支教区長)があいさつ。震災直後の様子に触れながら、「犠牲者の思いを心に刻み、人に尽くす生き方を」と語り掛け、復興に向けて誓いの言葉を述べた。
翌15日には、教会道場で「熊本地震復興イベント2018」を開催。近隣住民や会員ら約700人が訪れた。2年前の震災直後、熊本教会は避難所として近隣住民を受け入れ、毛布や飲料水、食事を提供。熊本市の避難場所として、その役割を果たした。被災した会員も含めサンガ(教えの仲間)や地域住民の安否確認に努め奔走、救援物資の搬送にも努めた。今回のイベントは、震災後の生活を通して結ばれた人と人とのつながりの尊さをかみしめ、多くの人に感謝の思いを届けようと企画された。
同イベントでは、演歌歌手・西岡はるみさんの歌謡ショーや、肥後にわか「キンキラ劇団」のお笑いショーが行われたほか、チャリティーバザー、バルーンアートなど趣向を凝らしたプログラムが実施された。
参加者の一人で、益城町のみなし仮設住宅に住む女性(66)は、「震災からようやく2年が経ちます。全国の皆さんから頂いた“一人じゃない”という思いを胸に、これからも七転び八起きの精神で精進します」と話していた。
なお、この日の売り上げは、3月に発生した台湾地震の義援金として台北駐日経済文化代表処に贈られる予定。