教団創立80周年記念祝賀会 各界から約200人を招き

「信仰の喜び」の発表から 荒川教会壮年部長(66)

東京の大学に入学するのを機に大分から上京し、現在は、都内でビルの電気工事を主に請け負う会社を経営しております。所属する荒川教会では、壮年部長のお役を頂き、家庭や職場の苦労や悩みを出し合い、助け合い、そしてつながりながら、仏さまのものの見方を学んでいます。

振り返りますと、決して順風満帆とは言えない私の半生を支えてくれたのは、結婚を縁に出遇った佼成会の教えとサンガ、そして妻でした。

悲しい出来事が18年前、起きました。長女が突然の事故で亡くなったのです。目に入れても痛くないほどのかわいい娘、まだ16歳でした。私と妻は頭の中が真っ白になり、「なぜ、どうして」と現実を受け入れることができないまま時を過ごしておりました。<もっと青春を謳歌(おうか)してほしかった>。悔やんでも悔やみきれません。

その年の暮れのことです。当時、教務部長だった女性(73)が元気のない私を心配し、「一年間、何も考えずに法華経の勉強をしてみませんか?」と誘ってくださいました。その勉強会のおかげで私は、一歩踏み出せたのです。「法師品」の中で、「私たちはただ生まれてきたのではなく、悩み苦しむ全ての人を救う慈悲の心から、自ら願ってこの娑婆(しゃば)世界に生まれてきた」と学び、娘も私たち夫婦の間に生まれ、命をかけて私たちを仏道修行に導いてくれたのだと知りました。

娘を亡くすというのは、あまりにも悲しく、切なく、心の痛みは消えることはありませんでした。けれども、少しずつではありますが、「現実から逃げていては、自分も家庭も会社も全てがうまくいかなくなる」と冷静に考えられるようになっていきました。

ある日、家庭内に大きな悩みを抱えている青年の話に耳を傾けたことがありました。気がついた時にはもう朝になっていました。私も娘のことや自分の気持ちを泣きながら話し、相手が立ち直るきっかけになればと、夢中で話をしていました。法華経を学び、仲間と出会ったおかげさまで、これからは、人さまの幸せのためにこの身を使わせて頂き、娘が喜んでくれるような生き方をしていこうと、この時、決意いたしました。

娘は小さい頃、「大きくなったらお父さんの面倒をみてあげるよ」と言っていました。私が今こうして元気で仕事やお役ができるのは、娘が霊界から見守ってくれているからだと感じています。

「現実に人を救い、世を立て直す」という開祖さまの願いが実現できるよう力を尽くしてまいりたいと思います。

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