東日本大震災発生から7年 被災地で慰霊・鎮魂の祈り

仙台教会会員による普門寺での慰霊供養

東日本大震災の発生から7年を迎えた3月11日を中心に、被災地域を包括する釜石、仙台、石巻、原町、平、磐城の各教会では、犠牲者を追悼する集いが行われた。

原町教会は10日、教会道場で「東日本大震災慰霊・復興祈願供養」を開催した。久保木伸浩教会長を導師に読経供養が行われ、犠牲となった38人の戒名が読み上げられた。

久保木教会長

この後、あいさつに立った久保木教会長は、「福島に帰ってきた人、帰ってこられない人、避難先で定住を決めた人、それぞれに湧き起こる感情があると思います。そうした思いを大事にし、一人ひとりの心に灯(あか)りをともしていきましょう」と話した。

同教会では、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い、会員の8割が今なお県内外で避難生活を続けている。

帰還困難区域の大熊町からいわき市に移り住み、車で約2時間かけて式典に参加した女性会員(75)は、「数十年通い続けた教会です。ここに来れば、親しいサンガに会え、元気をもらえます。これからもこのつながりを大切にしていきたい」と話した。

震災が発生する以前は帰還困難区域の双葉町に住んでいた女性会員(63)は、「震災発生から7年になりますが、事あるごとに自分が『避難者』であることを感じます。私にとって震災は終わっていません。いくら歳月が流れても、終わりはないのだと感じています」と語った。

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