夢と探究心を大切に 練馬明社 宇宙飛行士・山崎直子氏と漫画家・松本零士氏迎え講演会
立正佼成会練馬教会が協力するNPO法人「練馬明るい社会づくりの会」による「山崎直子宇宙飛行士の講演会と松本零士トークショー」が2月18日、東京・練馬区にある富士見中学高等学校の山崎記念講堂で行われ、市民ら約500人が参加した。
今回のイベントは、「練馬区独立70周年記念区民協働事業」の一つで、同区が後援。宇宙に憧れを持つ青少年の夢への挑戦を応援するとともに、探究心やいのちを大切にする心を育むことを目的に開かれた。
当日は、前川燿男練馬区長の来賓あいさつに続き、宇宙飛行士の山崎直子氏が『宇宙・人・夢をつなぐ』と題し、講演に立った。
宇宙飛行士のブルースーツ姿で登場した山崎氏は、2010年4月、スペースシャトル・ディスカバリー号に搭乗し宇宙空間に到達した体験を紹介。「宇宙の誕生から138億年といわれますが、人間は無数の星ときょうだいであり、宇宙の一部だと宇宙飛行士になって実感しました。宇宙を知るということは、地球、すなわち人間を理解することにほかなりません」と語った。
また国際宇宙ステーション(ISS)での生活について言及し、尿から乗組員自身の飲料水が再生利用されることや、無重力では、思いのままの自由な体勢で食事や睡眠がとれることなどを詳述。さらに、宇宙空間における人体に関するデータの収集、解析が地球上での疾病予防などの研究にも広く役立てられていることを説明した。
この後、質疑応答が行われ、「地球外生命体の有無」「宇宙船の速度」など多数の質問が会場から寄せられた。山崎氏はステージから降り、質問者のもとに歩み寄って丁寧に回答。この中で、「宇宙飛行士になるために必要な素質」について尋ねられた山崎氏は、学び続ける力と、自らの持ち味を伸ばしていくための努力が大切と述べた。
第2部では、山崎氏のほか、練馬区名誉区民で、『銀河鉄道999』の作者として知られる漫画家の松本零士氏が登壇し、科学ジャーナリストの寺門和夫氏をコーディネーターにトークショーを開催した。宇宙の魅力や、夢の実現に向けて必要な要素などについて、それぞれの体験を基に意見を交わした。