『ホンジュラスで輝く人々』をテーマに AMDA-MINDSの山田氏と定住旅行家のERIKO氏がトーク

ホンジュラスでの支援活動を紹介するAMDA-MINDSの山田さん

『ホンジュラスで輝く人々』をテーマにしたトークイベントが11月23日、東京・新宿区の早稲田奉仕園スコットホールギャラリーで行われた。主催したのは、NPO法人「AMDA社会開発機構」(AMDA‐MINDS、本部=岡山市)。35人の市民が参集した。

太平洋とカリブ海に挟まれた中米のホンジュラスは、山間部が国土の約80%を占め、コーヒーやバナナを生産する自然にあふれた国だ。一方、中南米諸国の中では最貧国の一つで、人口の60%以上が貧困層とされる。AMDA―MINDSは、農山村地域での母子保健の向上、安全な出産の促進、首都での青少年育成を通じた住みやすいコミュニティーづくりなどの支援活動を行っている。

当日は、同国大使館のカレン・イベズ・モラデル・ムニョス参事官が国の状況や政策、日本との関わりを紹介。続いて、モデルで、「定住旅行家」として活動するERIKOさんと、AMDA―MINDSホンジュラス事務所で事業を統括する山田留美子さんが講演を行った。

ERIKOさんは5年前から、各国の家庭に滞在しながら現地の暮らしを体感する旅を続け、その土地の文化や習慣をさまざまなメディアで発信している。「定住旅行家」という肩書は自ら考案したものだ。2012年から1年4カ月をかけ、中南米・カリブの25カ国を旅した。

ホンジュラスの人々の暮らしについて説明するERIKOさん(写真左)

講演では、豊かで美しい自然やマヤの遺跡のほか、ホンジュラスの家庭に滞在した体験を基に、首都の治安の問題や家族の結びつきの強さ、肉や紅茶を好む食習慣といった生活事情を、写真を交えて説明した。さらに、今年2月、NPO法人・国際協力NGOセンター(JANIC)や独立行政法人・国際協力機構(JICA)などによる「何とかしなきゃプロジェクト」で、コーヒー農園を視察した様子を報告。世界で同国産コーヒーの評価が高まっているが、「質の良いコーヒーの生産には大変な労力が必要」と話した。

本会一食平和基金の支援で車両を購入 山間部の緊急搬送に活躍

一方、山田さんは、支援活動を通じて出会った「輝く人」を紹介。貧困地域で住民の信頼を集め、妊婦の死亡率を減らす活動をしている男性看護師、自らは貧困家庭の出身者で、夢を持つ大切さを伝えて青年育成に尽くす女性、さらに青少年リーダーを育成し非行防止に努め、清掃や交流イベントを通じてコミュニティーづくりにあたる女性の3人を取り上げ、一人ひとりの献身を詳述した。また、現在、力を注いでいる母子保健事業に言及。支援を募って超音波機器を導入し、母子の健康維持を図る取り組みや、近隣に医療施設のない山間部で、立正佼成会一食(いちじき)平和基金の支援で購入した車両を改造し、医療施設に届ける緊急搬送に役立てていることなどを報告した。

この後、ERIKOさんと山田さんが、司会や会場の質問に答える形式でトークが続けられた。

次ページにその内容を掲載する。(敬称略)

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