佼成ウインドを多くの人に知ってもらいたい

――佼成ウインドのウェブサイトは以前、小倉さんが作っていたそうですね

はい、今からちょうど２０年前、インターネットが普及し始めた頃のことです。団員の中から「そろそろウェブサイトを作るべきでは？」という意見が出たのがきっかけでした。ただ、事務所では、まだウェブサイトの必要性を感じておらず、作成できる人もいないため、実現しそうにありませんでした。「それなら団員自身で作ろう！」ということになり、以前からパソコンを使っていた私が作ることになりました。

団員だけで作るため、私個人が契約していたプロバイダー内にアカウントを設置し、「非公式サイト」として始めました。その後、独自ドメインを取得して公式サイトとなり、事務所の方が更新作業などをするようになりましたが、私も関わりました。最終的には１５年間くらい携わりましたね。

――ウェブサイトを立ち上げる中で大変だったことは

もう、全てが大変でした。個人のサイトと違い、責任重大ですから、とにかく本を読み、試行錯誤しながら作りました。素人ながら、デザインなどサイトを訪れる方が何を求めているかを常に考えていました。

奏法の質問にお答えするＱ＆Ａコーナー、舞台裏の風景などを載せたブログ、奏者のアンブシュア（楽器を吹く時の口の形や使い方）やその実演を紹介。それに加えて、ＣＤやＴシャツのプレゼント企画などもたびたび実施しました。さらに、曲目や演奏時間といった佼成ウインドのＣＤ情報も全て入力し、検索や購入ができるようにもしましたね。ＣＤ２００枚以上の膨大なデータは、それだけで吹奏楽の情報源になりますから。Ｑ＆ＡコーナーとＣＤ検索は、現在のサイトにも移植されています。また、毎週、メールマガジンによる吹奏楽に関する情報の配信、皆さんから寄せられたメールへの対応も、私が担っていました。

プロフィル

おぐら・さだゆき　１９５７年、神奈川・藤沢市生まれ。７９年、東京藝術大学音楽学部卒業。同年、パリで行われた第１回モーリス・アンドレ国際ブラスアンサンブルコンクールに入選。この年、米・カリフォルニア芸術大学大学院に留学し、ロジャー・ボボ氏に師事する。オークランド交響楽団を経て、８７年に東京佼成ウインドオーケストラに入団。８９年から１０年間、同オーケストラ副コンサートマスターを務める。また、フィルハーモニア・ブラス・クインテットのメンバーとして４枚のＣＤを録音した。現在、平成音楽大学、洗足学園大学、大阪芸術大学大学院で講師も務める。