立正佼成会 庭野日鑛会長 6月の法話から

6月に大聖堂で行われた式典から、庭野日鑛会長の法話を抜粋してまとめました。(文責在編集部)

忘れてはならない大事の元

多忙の「忙」の字は、りっしんべんに「亡(な)くす」と書きます。忙しいと心がなくなるという意味合いです。忙しいことにとらわれて、自分をなくすと、どうしても物事に手抜かりや油断、手落ちが多くなります。つまり、忙しいと大事なことを忘れてしまうのです。

大事の元にあるものは何か――それは、自分の人生をつくっているのは、自分ではないということです。私たち一人ひとりを考えてみても、自分が今、ここにいるのは、自分以外の神さま、仏さま、友人、知人、家族によってです。私たちは、神仏やそういう人々によって、人生が成り立っていることを心しておかなければなりません。

ですから、人生を成り立たせてくださっている神さま、仏さま、友人、知人、家族に対して、ひたすら感謝するしかありません。このことを心に留めておくと、手抜かりがなく、心を失わないで済みます。お互いさまに気をつけてまいりたいと思います。
(6月10日)

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