食から見た現代(5) とろとろのスナック〈前編〉 文・石井光太(作家)

「家族でレストランへ行った記憶がありません」

取材で出会った20歳の男子大学生からそう言われたことがある。レストランどころか、家族で外食をした経験が一度もないという。

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バチカンから見た世界(157) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)

3宗教間の融和なくして中東和平は実現できない(9)―ガザ紛争に揺れ動くバチカン、イスラエルとユダヤ教徒の関係―

中世期まで、ユダヤ教徒たちは神であるキリストを殺害した責任を問われ、キリスト教社会から隔離、迫害されてきた。その影響で、カトリック教会では1959年まで、復活祭前のキリストの受難を追憶する聖金曜日の式典で、「神が(神殺しの)悪質なユダヤ教徒たちの心からベールを拭い去り、彼らがキリストを神と認めるように」と、祈りが捧げられていた。

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