バチカンから見た世界(48) 文・宮平宏(本紙バチカン支局長)
一方、コリエレ紙は17日に『教皇の予言と核戦争の恐怖』と題し、読者との対話を取材した記事を掲載。この中で、イタリアの著名な記者で、作家でもあるアルド・カッツッロ氏は、「教皇はしばしば、偶発性と外見を超えて、われわれには見えないことを見る能力を持っている」と主張する。「教皇は、占い師ではないが、われわれの現代と未来に関する洞察力を有する」のみならず、「国際的に評価されているバチカン国務長官のピエトロ・パロリン枢機卿や、世界で最も長い歴史と能力を有する外交に支えられており、機密で信ぴょう性のある情報を受け取っている」と分析した。
その上で、カッツッロ氏は、「教皇が、このように明確な警鐘を鳴らすということは、強い危機感を持っているからだ」と指摘する。教皇が持つ危機感の原因として、「北朝鮮情勢の危機」「トランプ大統領の(国際問題に対する)経験のなさ、衝動的行動、不適切な対処」をはじめ、「核兵器保有国であるインドとパキスタンの間におけるカシミール紛争」「核兵器がイスラーム聖戦を唱える過激主義者の手中に落ちる危険性」を挙げる。「核拡散の問題は、現代における最大の課題だが、誰も対処しない。教皇が注意を促すことは良いこと」とカッツッロ氏は強調した。
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