本会職員が憲法学習会 「あすわか」の種田弁護士を講師に、憲法20条の理解深め

日本国憲法の意義について学びを深める、立正佼成会の職員を対象とした憲法学習会(全5回)の最終回が9月7日、大聖ホール(東京・杉並区)で実施された。31人が参加した。「明日の自由を守る若手弁護士の会」(あすわか)で活動する種田和敏弁護士が講師を務めた。

当日は、7月4日に行われた第3回『憲法20条(基礎編)』を踏まえ、活用編を実施。参加者が3人一組になり、「質問者」「回答者」「観察者」の役にそれぞれ分かれて、20条に定められた「信教の自由」や「政教分離の原則」について学びあった。

この後、種田氏が解説に立ち、2012年に発表された自民党の『日本国憲法改正草案』を挙げて、20条1項と3項が現行憲法から変更されていることを示した。

特に1項については、現憲法の「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」という条文が、「信教の自由は、保障する。国は、いかなる宗教団体に対しても、特権を与えてはならない」に改められているとし、現憲法にある、全ての人に例外なくという意味の「何人」という文言が除かれたと指摘。戦前の大日本帝国憲法では、「安寧秩序を妨げない」「臣民の義務に反しない」限りにおいて、信教の自由が認められていたとし、条件付きの権利であったために宗教弾圧を招いたと説明した。「“例外”を設けていた戦前には、宗教への弾圧がありました。日本国憲法では、その例外をなくすためにあえて明示して、信教の自由を守るために、『何人』が記載されたのです」と述べた。

その上で、「『そんなことまでは、考えてないだろう』と思われるかもしれませんが、この草案のような憲法になれば、戦前の状態に戻ってしまい、取り返しがつかなくなるかもしれません」と語り、宗教者が事態を注視していくよう訴えた。