本会一食平和基金 比ミンダナオ島の避難民に対し緊急支援 ミンダナオ子ども図書館に50万円寄託
フィリピン・ミンダナオ島のマラウィ市では5月下旬から、「イスラーム国」(IS)を名乗る過激派組織に忠誠を誓う武装勢力「マウテ」と政府軍との戦闘が続き、市民に被害が及んでいる。これを受け、立正佼成会一食(いちじき)平和基金運営委員会は7月1日、避難する市民への支援に対し、50万円の拠出を決定。本会が進める「親子で取り組むゆめポッケ」のパートナー団体であり、紛争避難民を支援する「ミンダナオ子ども図書館」(MCL)に寄託した。
同島では、16世紀頃からキリスト教徒とムスリムの住民の間で土地や自治権を巡る対立が続いていた。1960年代以降、政府軍とムスリムの反政府組織との間で武力衝突が相次ぎ、市民を含む12万人以上が犠牲となった。
2014年3月、最大の反政府勢力である「モロ・イスラム解放戦線」(MILF)が政府と包括和平合意を締結。16年には、MILFが、ムスリムの住民らによる新たな自治政府設立を目指す和平の「枠組み合意」文書に署名するなど、現在まで和平プロセスが推進されてきた。しかし、これに反発するマウテと政府軍との銃撃戦が5月23日に起きたことが発端となって、過激派の「アブサヤフ」や海外から戦闘員がマウテに合流し、現在も激しい戦闘が続く。
同国政府の発表によると、マラウィ市では反政府側の戦闘員や同国軍兵士、市民ら400人以上が死亡。約40万人が同市から北へ約30キロ離れたイリガン市の避難所をはじめ、各地の友人・親戚宅などに身を寄せているという。
ミンダナオ子ども図書館では、他のNGOと協力し、避難民を対象に食料や医薬品、古着、ビニールシートを配布するとともに炊き出しを行う。また心のケアなどを目的として、子供たちに絵本の読み聞かせを実施するほか、イリガン市福祉局と相談の上、戦闘で身寄りをなくした子供たちを、同図書館本部に保護する予定。浄財はこれらの活動に役立てられる。