「庭野平和賞奨励賞」 第4回受賞者が決定

光照院を会場に、庭野理事長から吉水師に賞状が贈られた
8月20日、公益財団法人庭野平和財団(庭野日鑛名誉会長、庭野浩士理事長)のウェブサイトで、「庭野平和賞奨励賞」の第4回受賞者が発表された。受賞したのは、浄土宗光照院住職であり、社会慈業委員会(通称=ひとさじの会)事務局長の吉水岳彦師だ。
同賞は、宗教的精神を基盤とした平和のための研究や活動を通して、地域に根ざしつつ、人々の生活に身近で具体的な課題に取り組み、幸福と平和な社会を構築するための功績を挙げた個人や団体に贈られる。
吉水師が生まれ育った東京都台東区には、「山谷」と呼ばれ、日雇い労働者の集まる地域があった。バブル崩壊後、建設業の仕事が減少し、山谷の寄せ場は縮小された。現在、軒を連ねる簡易宿泊所には、年を重ねて就労が困難になった生活保護受給者が多く暮らす。同地域では長期にわたり路上生活を送る人もいる。

光照院に建立されている「結の墓」
こうした中、吉水師は社会から孤立した人々を、支援の対象ではなく共に生きるかけがえのない隣人と受けとめ、身寄りのない路上生活者の亡骸(なきがら)がぞんざいに扱われる現状を変えて彼らの尊厳を守るため、2008年に共同墓「結(ゆい)の墓」を建立した。翌年から、若手僧侶と共に、生活困窮者を支援する「ひとさじの会」を設立し、台東区の清川・日本堤・東浅草を拠点に葬儀や追悼法要を実施。また、炊き出しや夜回り、生活相談にも尽力している。
8月31日には、光照院で贈呈式が行われ、同賞委員会の浅見靖仁委員長(法政大学法学部教授)が見守る中、庭野理事長から正賞の賞状と副賞の賞金200万円の目録が手渡された。
あいさつに立った吉水師は、目の前で苦しむ人を「『助けるに値する人間かどうか』と、われわれが選ぶのは傲慢(ごうまん)なこと」と述べ、「一人では何もできないからこそ、これからも多くの人たちと共に手を携え、目の前にいる人の“しんどい”に向き合っていけるように励んでいきたい」と語った。





