バチカンで『信仰と科学――COP26に向けて』 諸宗教者が提言書に署名 光祥次代会長がメッセージ寄せる

バチカン使徒宮殿の「祝福の間」で開催された会合。席上、世界の諸宗教指導者がCOP26への提言書に署名した(写真=本会ローマセンター提供)

英国で国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が開かれるのを前に、10月4日、バチカンで『信仰と科学――COP26に向けて』と題する会合が行われた。この会合は今年2月から、諸宗教の代表者が科学者らと会議を重ねて作成したCOP26への提言書に署名し、その内容を公表するもの。世界の宗教指導者22人をはじめ科学者、研究者らが参加した。提言書の作成に携わってきた立正佼成会の庭野光祥次代会長は会合に署名を提出し、メッセージを寄せた。

世界の平均気温は今も上昇し続けている。原因は人間が排出する温室効果ガスで、地球温暖化が続けば海面上昇や異常気象を招き、世界各地に深刻な影響を及ぼすとされる。このため、2015年に採択されたパリ協定では、「気温上昇を産業革命以前に比べて2度未満、できれば1.5度に抑えること」を目標にし、各国に温室効果ガスの排出削減を求めている。

『信仰と科学――COP26に向けて』と題する会合は英国政府、イタリア政府、バチカン(教皇庁)の共催によるもの。2月4日に始まり、今回までに7回の準備会議を開催し、宗教者や科学者が地球環境に関して意見を述べ、提言書の作成に努めてきた。光祥次代会長は2月25日にスピーチ(オンライン)し、その後の提言書の草案作りでは仏教の観点から考えを伝えてきた。

10月4日の会合は、バチカン使徒宮殿の「祝福の間」で開催された。ローマ教皇フランシスコ、イスラーム・スンニ派最高権威機関「アズハル」のアハメド・タイエブ総長、東方正教会のバルトロメオ一世・エキュメニカル総主教、英国国教会のジャスティン・ウェルビー・カンタベリー大主教をはじめキリスト教諸教会、イスラーム(スンニ派、シーア派)、ユダヤ教、ヒンドゥー教、シーク教、仏教、儒教、道教、ゾロアスター教、ジャイナ教の22人の宗教者が参加した。

式典では、提言書に代表者が署名。各宗教の祈りが捧げられた後、諸宗教の代表が、あらゆる生命の「共通の家」である地球を救うための努力についてスピーチし、取り組みを誓約した。

この中で、光祥次代会長のメッセージが読み上げられた。光祥次代会長は、宗教が古くから、自然は与えられた贈り物であり、地球の全ての存在が関係し合って、「一つの家族」として共生していることを伝えてきたと説明。現在は、科学的にもそのことが証明されており、宗教と科学は互いに補完し合いながら、人間の苦しみを和らげ、世界をよりよいものにするためにあると示した。その上で、宗教には、最新の科学的知識を人々に伝えるだけでなく、その知識を人々の生活に生かしていく機能があると強調。そうして人々に力を与えていくことが、世界の変革につながるとし、その「かけ橋」になっていく大切さを呼びかけた。

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