佼成学園女子高 「SGHネットワーク」参加校に認定 萩生田文科相が取り組みを視察

萩生田大臣は、3年生のスーパーグローバルクラスの授業を視察し、生徒と言葉を交わした

萩生田光一文部科学大臣が5月19日、佼成学園女子高校(東京・世田谷区)を訪れ、グローバル教育の取り組みを視察した。同校は、文部科学省が進める「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」の指定を受けている。

SGHとは、グローバル化が進む現状を踏まえ、国際的に活躍できる人材を育成する高校などを同省が指定(期間5年)し、支援する事業。指定校は、それぞれに目指すべき人物像を設定し、独自のカリキュラムを実施できる。

同校は、「国際社会で平和のために貢献できる人材を育成する」という理念を掲げ、国際的に活躍するリーダーに求められる「人間力」と「英語力」の教育に力を入れてきた。平成26年にSGH1期校として指定を受けた。5年間の指定期間終了後、今年4月には、SGHの成果を普及させ、グローバル人材育成のネットワークづくりを推進するための「SGHネットワーク」参加校(期間3年)に認定された。

5年間の成果と今後の課題を報告

当日、萩生田大臣は、大会議室で宮川典子国際部長から、5年間にわたる同校のSGHの取り組みについて説明を受けた。この中で宮川部長は、同校では『フィールドワークを通じた他民族社会における平和的発展の研究』をテーマに掲げ、「異文化研究」「国際文化」の授業や、タイ、英国、ニュージーランド、オーストラリア、スリランカ、中国での現地視察を通して、生徒たちが研究に取り組んだことを紹介した。また、SGHの一環として「特設英語」のカリキュラムを設けて英語力の向上を図るとともに、生徒たちが研究内容を英語で発表する「プレゼンテーション・デイ」を毎年開催したことなどを語り、各取り組みの成果と課題を報告した。

その後、萩生田大臣は、SGH指定後に設けられた「スーパーグローバルクラス(SG)」の3年生の授業を視察した。

生徒たちは、それぞれが進めている世界的な課題に関する研究論文(英語)について説明。『貧困によって教育を充分に受けられない子どもたち』『日本の大学におけるアカデミック・ハラスメント』『エシカル消費』といった研究内容をはじめ、そのためのフィールドワークや文献調査での学び、提携するロンドン大学のオンライン研修を受けての感想などを英語で発表した。

萩生田大臣は生徒たちに対し、自身の海外公務の際、英語で苦労した経験に触れながら、「英語が話せる皆さんには、もっと広い世界が待っていると思います」と激励。さらに、生徒たちに将来の展望を尋ねるなどして、期待を寄せた。