米国での「宗教対話プログラム」 互いの信仰を学び、平和への願いを新たにした会員たち
立正佼成会の会員を対象とした「宗教対話プログラムinアメリカ」(主管=総務部渉外グループ)が昨年初めて行われ、18歳から76歳までの34人(団長=和田惠久巳国際宗教協力専任部長)が11月2日から8日まで米国を訪れた。同プログラムは、庭野日敬開祖が尽くした国際的な諸宗教間対話・協力の原点に触れ、世界平和への視点を養うことが目的。また、ユニテリアン・ユニバーサリスト協会(UUA)のオールソウルズ教会(ワシントン)との交流を通じ、彼らから社会問題や歴史に向き合う姿勢を学ぶことも願いとしている。オールソウルズ教会の信徒との交流を中心に、現地での様子を紹介する。
本会とUUAの交流は1968年1月、UUA初代会長であるデイナ・グリーリー博士が本会を訪れ、宗教協力や宗教者による平和活動について庭野開祖と意見を交わしたことに始まる。両師は「ソウル・メイト(魂の兄弟)」といわれるほど心を通わせ、その友情と世界平和への情熱は70年に京都で行われた世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)の第1回世界大会の実現につながった。
今回訪れたオールソウルズ教会は、第二次世界大戦後の47年、広島への原爆投下に胸を痛めたパウエル・デイビーズ牧師が、信徒らに寄付を募り、広島市内の子供にクレヨンや画用紙などの学用品を寄贈した歴史を持つ。当時、これを受け取った広島の小学生たちは書画を制作し、同教会に贈った。
その約60年後の2006年、同教会の地下倉庫に保管されていた書画が発見され、広島への原爆投下や平和の尊さを考えるための展覧会を国内外で開催した。その活動の一環として、10年に同教会の信徒一行が来日し、広島市を訪問した際、UUAと親交がある本会の広島教会が受け入れを担った。以来、両教会の信者が互いに訪ね合うなど、交流を重ねてきた。
今回のツアーでは、互いの信仰を学び合い、平和への願いを新たにするため、交流が企画された。