佼成病院の甲能直幸院長に聞く 新型コロナウイルスによる感染症の流行 予防のポイント

中国・武漢市などで発生した新型コロナウイルスによる感染症が流行し、これによる肺炎の患者が急増している。日本を含め近隣諸国でも患者が確認されており、世界的な広がりが懸念されている。新型コロナウイルスの特徴や感染予防のポイントについて、立正佼成会附属佼成病院(東京・杉並区)の甲能直幸院長に聞いた。

甲能院長の話

中国では昨年末から新型コロナウイルスによる肺炎患者が増え、中国の保健当局の発表によると、これまでに感染が確認された患者は2744人に上り、80人が亡くなっています(1月27日現在)。コロナウイルスとは、動物や人の間で感染症を引き起こすウイルスで、表面の突起が太陽のコロナに似ていることから名付けられました。

なぜ新型コロナウイルスによる感染症が広がったのかといえば、武漢市の患者の多くが海鮮市場に出入りしていたことが挙げられます。市場では野生動物も取り引きされており、動物の体液やふんに含まれるウイルスを吸い込み、感染したと考えられているのです。

WHO(世界保健機関)によると、新型コロナウイルスによる感染症の主な症状は、発熱と、その後に起きる呼吸困難だといわれます。しかし、発熱せずに死亡した感染者がいることから、新型コロナウイルスによる症状の特徴は、現時点でははっきりと分からないのが実情です。

WHOは「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言を見送りました。現在、ヒトからヒトへの感染は限定的で、過剰に心配することはなく、今後の推移を注意深く見守ってほしいと思います。

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