米国での「宗教対話プログラム」 互いの信仰を学び、平和への願いを新たにした会員たち

日曜礼拝や「平和プログラム」を通じ、互いを知る

2日午後、一行がオールソウルズ教会に到着すると、信徒約50人が出迎え、歓迎会が行われた。あいさつに立ったロバート・ハーディス上級牧師は、信仰のシンボルである「聖火杯」を手にし、「この炎は私たち一人ひとりの生命の尊厳、そして、杯は人と人とが支え合うコミュニティーの力を表しています」と自分たちの信仰の一端を説明。炎や杯が、仏教の仏性やサンガ(教えの仲間)に当たるとして、両宗教の共通性を挙げながら、「今回の交流では、調和に基づく、平和な世界の実現について語り合いましょう」と述べた。この後、一行はそれぞれホストファミリーの家に向かい、互いの文化や信仰を紹介し、平和への願いを分かち合った。

ユニテリアン・ユニバーサリズムの信仰のシンボルである「聖火杯」(左)

翌3日、一行は同教会の日曜礼拝に参加。この日は全ての死者をたたえ、亡くなった家族や知人の霊に祈りを捧げる「オールソウルズサンデー」に当たり、説教に立ったハーディス牧師は、人は他者の死から、生命の尊さを学び、人生という「贈り物」を大切にして生きる力を得ると語った。次にあいさつに立った和田団長は、本会では各会員が毎日のご供養を通じて、自らの命が多くの先祖から受け継がれてきたことを自覚し、感謝を表していると説明した。

午後には、同教会の信徒と共に「平和プログラム」に臨んだ。冒頭、広島被爆体験伝承者として活動する広島教会の女性(56)が講話に立ち、12歳で被爆した女性の体験を詳述した。

全員が被爆体験伝承者の講話に聞き入った

被爆した女性は爆心地から3.5キロ離れた自宅で祖母と共に被爆し、両親を亡くした。その後、後遺症に苦しみ、過酷な人生を歩んだことが、広島教会の女性から伝えられた。

「たった一発の原爆が、夢や希望、未来を命と一緒に奪ってしまったんです」。広島教会の女性は体を震わせ、言葉を絞り出した。普段は正確性にこだわり、冷静な語りを心がけているが、この日は声が詰まった。「被爆した彼女の思いが今、アメリカの人々に伝わっている。そう思うと涙をこらえられませんでした」。皆がその話に聞き入った。

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