本会青年部創部70周年 未来を担う若者たちが結集

“未来をつくる若者”への期待を込め、1949年8月28日に結成された立正佼成会の青年部。今夏、70周年の節目を迎える。70年にわたる活動は教団の大きな活力となり、その中で多くの人材が育成されてきた。その歴史を振り返る。

88年に「国連平和賞」 平和友好の国際交流も

法燈継承後、初めて青年幹部に向けて法話を述べた庭野日敬開祖と庭野日鑛会長(1991年「青年幹部大会」)

青年部の結成式は1949年8月28日、庭野日敬開祖(当時・会長)、長沼妙佼脇祖臨席のもと、本部修養道場(現在の本会発祥の地・修養道場=東京・杉並区)で執り行われた。結成時の部員は、日頃から道場に参拝していた21人。当時の主な活動は、本部の当番修行や奉仕活動だった。やがて、「毎日組」「日曜組」が組織され、野球部や和裁部などのサークル活動も活発に行われるようになった。本部での動きに刺激を受け、地方支部(現・教会)にも次々と青年部結成の動きが広がった。

結成から9年目の58年には、本部の組織改編に伴い、正式に「青年部」が発足。当時、青年部員の年齢は、15歳から35歳までの会員と位置づけられ、地区ごとに夜間法座が開かれた。教学研修もスタートした。

66年には青年部待望の青梅練成道場が完成。多くの青年が練成会で自己を見つめ直し、親へのサンゲなどを通して人生観の転換を図っていった。

70年5月、全国の主要都市部で約1万7000人の部員が参加し、初の「青年の日」として「社会を明るくする全国青年部県別統一行動」が実施された。現在まで、毎年の「青年の日」には、全国の青年たちが社会貢献活動などを展開している。

国際児童年にあたる79年の「青年の日」からは、日本ユニセフ協会の協賛で「ユニセフ募金(現・一食=いちじき=ユニセフ募金)」が始まった。街頭募金を中心とした活動により本会から日本ユニセフ協会へ贈られた浄財は、これまでに約69億円に上る。青年部の継続した国連支援が認められ、88年には、本会青年部に「国連平和賞」が贈られた。

さらに、国際交流にも力が入れられ、73年7月には、第1回「青年の船」が就航。全国の青年たちがフィリピンなどの第二次世界大戦の戦跡を巡り、慰霊と平和友好の取り組みを行った。「青年の船」は、その後「青年の翼」として引き継がれ、平和使節団の役割を果たした。また、国内でも、学生部を中心に広島、長崎、沖縄などの戦跡を訪れる平和学習が毎年続けられている。

第1回「青年の船」(1973年)

新潟・十日町市菅沼で、庭野日敬開祖、庭野日鑛会長の少年期を追体験する「菅沼子ども村」が初めて行われたのは98年。小学4年から6年生までの少年部員たちが、「ご生家」近くの広場でキャンプ生活を体験した。2004年からは古民家での宿泊体験が取り入れられるなど、さまざまに形を変えながら、豊かな自然と触れ合うプログラムとして現在も続けられている。

教団創立70周年を迎えた08年には、ご本尊との結縁(けちえん)を通して、自己の信仰を深め、菩薩行実践の決意を新たにする「青少年 本部参拝」(全18回)が実施された。

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