WCRP/RfP日本委と新宗連が復興合同祈願祭 西日本豪雨の被災地で

宗教宗派別の「祈り」。本会は、中村宇和島教会長が導師をつとめ、慰霊の誠が捧げられた

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会と新日本宗教団体連合会(新宗連)共催による「西日本豪雨犠牲者の追悼と鎮魂ならびに復興合同祈願祭」が7月10日、愛媛・西予(せいよ)市の三嶋神社で行われた。立正佼成会から中村憲一郎常務理事、中村和正宇和島教会長が参列した。両団体の加盟教団など11団体から、地元の宗教者らを含めた約90人が参加。本会宇和島教会の会員22人が受け入れにあたった。

昨年6月28日から7月8日にかけての西日本豪雨(平成30年7月豪雨)では、死者237人、行方不明者8人に上ったほか、多くの住宅被害が発生した。WCRP/RfP日本委と新日本宗教青年会連盟(新宗連青年会=SYL)の協働災害ボランティアチーム「VOWS(Volunteer of WCRP & SYL)」は、災害発生後、被災地での支援活動を展開。広島・三原市では土砂のかき出し作業、西予市野村町では障害者就労支援施設「レインボーアグリ」で被災建物や農地の復旧作業などにあたった。今年2月からは、曹洞宗四国青年ボランティア会と共に、野村町内にある仮設住宅などで被災者の心のケアを目的とした「傾聴喫茶」を開いている。

今回の祈願祭では、三嶋神社の和氣利雄宮司、愛媛県神社庁の三輪田泰生庁長、神社本庁の牛尾淳教化広報部長、黒住教の黒住宗道教主(WCRP/RfP日本委理事、同西日本豪雨復興タスクフォース責任者)が玉串拝礼。次いで、神道、教派神道、仏教、イスラーム、新宗教など、10の宗教・宗派がそれぞれに儀礼に沿って犠牲者の慰霊と復興への祈りを捧げた。

あいさつに立った黒住教主は、昨年の豪雨に伴うダムの放流で肱川(ひじかわ)が氾濫し、同神社のある野村町で5人が犠牲になったことに言及。その場所に宗教者が集い、共に祈る意義を強調した上で、「私たちが災害にどう備え、向き合っていくかが、亡くなられた数々の尊い命に対する宿題であると受けとめました」と述べた。

なお、式典に先立ち、WCRP/RfP日本委と新宗連の一行は、被害の爪痕が残る野村町内を視察。乙亥(おとい)会館、レインボーアグリ、野村ダムなどを巡り、災害の状況や復興の様子を確認した。