第10回フォコラーレ大志・交流使節団 信仰の役割見つめ、平和に向け協動

立正佼成会の青年代表による「第10回フォコラーレ大志・交流使節団」(団長=西由江習学部次長)の一行14人が4月28日から5月5日まで、イタリアを訪れた。2008年に始まる同使節団の派遣は、フォコラーレ運動(カトリックの在家運動体)と本会の青年が交流と対話を重ね、平和の実現に向けた信仰者の役割を見つめることが願い。節目を迎えた今回は、社会の問題に目を向け、具体的な協働を通して信仰の意義をかみしめた。

「フォコラーレ大志・交流使節団」は08年4月に第1回が行われ、これまで計133人の青年部員らが、フォコラーレ運動の本部が置かれるイタリアをはじめ、拠点があるインドやフィリピンを訪れた。14年には同運動の青年が本会本部を訪問し、交流が続いている。

創始者・キアラ師の墓前に参り、手を合わせ、慰霊の誠を捧げた

今回は、これまでの交流と対話を踏まえ、両団体の青年が世界や社会の問題に対し、具体的な行動を起こすことがプログラムに組み込まれた。対話と協働が特徴だ。

一行は4月29日、ローマ市郊外にある同運動の本部を訪れ、礼拝室で創始者のキアラ・ルービック師の棺(ひつぎ)が納められた石碑に向かい、追悼の祈りを捧げた。この後、青年10人と「青年シンポジウム」を行った。テーマは、『世界平和を私たちから――今、あらゆるものに一歩踏み出そう』。両団体の代表者3人がテーマに沿った体験を発表した。

青年シンポジウムでは、両団体の代表者が登壇し、信仰観や体験を発表

この中で同運動のメンバーの女性(22)は、同運動で今年行われた「貧困撲滅週間」を紹介した。インド・ムンバイで修道院のシスターが貧しい女性や子供のためにつくった共同生活施設の食料が不足している状況を知り、青年の仲間と共に、地域住民に200通の手紙を出し、古新聞の提供を求めたことを報告。回収した古新聞を換金し、支援金を送ることができたと話した。

一方、男子大学生(19)=山形教会=は、3月に行われた使節団の事前学習で、身近にできる平和の実践の大切さを学び、渡航までの約2カ月間で、自らの殻を破ってチャレンジした取り組みを発表。「相手の気持ちになる」を目標にし、重そうな荷物を持った人への援助や、周囲への優しい言葉遣いを心がけた。そのことで、自身も周囲の優しさに支えられていることに気づき、感謝の思いが湧いたと語った。

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