「全国教会長人権学習会」から 職場で役立つ傾聴の仕方や部下の叱り方
褒め方にもポイントがあります。
〈1〉事実を細かく具体的に
〈2〉相手に合わせて
〈3〉タイミング良く
〈4〉先手必勝
〈5〉心を込めて
先手必勝というのは、相手が褒めてほしいという雰囲気を出す前に褒めることです。
部下を叱るコツもあります。叱ること、注意することは、相手の成長を願い、相手の可能性を引き出すコミュニケーションです。具体的なステップとして、まずは丁寧に事実確認をします。次に、「Iメッセージ」といって、「私はこう思う」という言い方で自分の思いを伝えます。「Iメッセージ」の反対は、「youメッセージ」。例えば、「あなたが悪い」など、相手を主語にして話す伝え方です。「Iメッセージ」を用いて、「私はあなたの行動を見てこう思うよ」と伝えると、少し柔らかい表現になります。続いて、望ましい行動と理由、ご自身が相手の価値と捉えている部分を伝えてください。例えば、前日までに作成を頼んでいた書類が出ていない部下がいたら、望ましい行動と理由として、「次からはできないと分かった時点で相談に来なさい。書類が完成しないことで迷惑を被る人がいるんだぞ」と伝えます。それから、「日々の業務態度、丁寧な仕事ぶり、きちんとした挨拶などは非常に評価している。君には期待しているから、次から頼んだぞ」というふうに。ぜひこのステップを意識してみてください。
昨今、「部下からハラスメントと言われるから指導をしない」という管理職の方が増えています。けれども、指導しないと人は育ちません。人材の育成は、管理職の重要な役割の一つです。人によってものごとの受け取り方や考え方は本当に違いがありますから、部下を育てる立場になったら、そのことに留意し、自分の価値観を押し付けずに、相手に合わせていくことがとても大切なのです。