ACRP 第9回「ACRP東京大会」宣言文(全文)

アジアにおける我々の共通の行動への呼びかけ

全体会議や分科会での集中的な議論を経て、非常に有益で実効的な提言が提出された。ACRPとその22の各国委員会のメンバーである我々は、以下の提言を実行することをここに決意する。

提言1:我々は、ACRPのフラッグシップ・プロジェクトである、1)あらゆる生命(いのち)の尊厳に関する意識向上、2)人身取引防止、3)平和構築と和解、4)環境保護、5)青年リーダー育成、を宗教間の対話と協力を通じて推進、提唱、実施する。

提言2:我々は、ACRPの新行動計画に明記されるプログラム、プロジェクト、活動、を宗教間の対話と協力を通じて、全面的に確約・実施する。

提言3:我々は、フラッグシップ・プロジェクトと他のプロジェクトを遂行するための資金を調達し、今後設立されるアジア・トラスティーズを活用する。

提言4:アジア・太平洋地域の宗教指導者たちは、「すべての人が安全になるまで、誰も安全ではない」という理由により、希望すれば誰でもワクチン接種を受けることができることを、共通の利益として自分たちのコミュニティに奨励する。また、彼らとそのコミュニティは、特に貧しい国々でCOVID-19ウイルスのさらなる蔓延を防ぐため、WCRPと協力して、ワクチンとその製造の公正で正当な分配を提唱し、推進する。

提言5:我々は、若者が未来への「希望」であると同時に現在の「希望」でもあることから、あらゆるレベルの意思決定プロセスに若者のメンバーを参加させる。

提言6:我々は、女性が男性と互いに補完し合い変化をもたらす者として、すべてのレベルの意思決定プロセスに男性と共に参加させる。

提言7:我々は、韓国宗教人平和会議(KCRP)と協力し、朝鮮宗教人協議会(KCR)を通じて、朝鮮民主主義人民共和国の人々のために人道的な活動を行う。2つのコリア間の平和条約締結のためのプロセスを推進する。朝鮮半島の平和を達成するために、平和教育を提唱する。

提言8:我々は、犠牲者や疎外された人々が叫びを上げているアフガニスタン及びミャンマーなどの国々のために、平和構築と和解のために努力する。我々は、深い悲しみと荒廃の中にあるこれらの国々の人々が平和、和解、社会的結束を実現するために祈り、行動し、関与を続ける。

提言9:我々は、核兵器廃絶のための活動や、原子力の平和利用に関する賛否両論の議論に参加し、防衛予算を平和関連活動推進のための資金に転換することを提唱する。

提言10:我々は、政府、国際機関、宗教コミュニティと共に、包括性、一体性、環境保護に関する平和的対話を提唱し、平和に関するビデオ、ポジションペーパーの発表、集会、祈り、会議、セミナー、ウェビナーなどのソーシャルメディアを積極的に活用する。

提言11:我々は、SDGsに沿ってグローバルなネットワークを構築・参加することにより、連帯、協力を促進し、優良事例を共有する。

提言12:我々は、宗教間の対話と協力を積極的に行い、宗教コミュニティの社会的責任を再認識する。そして、平等、尊敬、包括性、相互学習の精神を提唱する。ACRPの原則と戦略的行動を実行するために具体的な行動をとり、かつ平和教育と環境教育の連携を念頭に入れ、気候変動に共同で対処するために合意する。そして環境を保護し、健全な生態環境を作る。地球上のすべての生命の共同体を共同で構築し、クリーンな世界を将来の世代に残す。

これらの提言は、WCRPの6つの戦略的目標、(1)平和で公正かつ包括的な社会の促進(2)ジェンダー平等の推進(3)持続可能な環境の育成(4)思想・良心・宗教の自由の擁護(5)宗教間教育の強化(6)多宗教間協力とグローバル・パートナーシップの促進、に合致している。

ACRPは、今後5年間のACRPフラッグシップ・プロジェクトの実施とそのためのACRP事務局の支援のため、WCRP/RfP日本委員会から30,000,000円(約273,000USD)の寛大な寄付をいただいたことに感謝する。

ACRP第9回大会により採択。

2021年10月22日