コロナ禍の中で悩みを分かち、知恵を出し合い、皆で苦境を乗り越えていく 「六花の会」共同推進責任者に聞く

経営者が率先して変化を

――「オン塾」ではどのような気づきがありましたか

インターネットの活用など、“時代”や“環境”に合わせて、新しい取り組みをしていくことが大切だと改めて感じました。

インターネット環境とデバイス(パソコンやスマートフォン)が整えば、「オン塾」に参加できますが、当初は、「今から覚えるなんて……」と尻込みする仲間も少なくありませんでした。一方、こうしたオンライン化の流れを時代の変化として前向きに捉え、経営者がまず、変化に順応しようと意気込んで参加している方も多く、その姿勢に勇気づけられました。

私自身、「オン塾」を始めるにあたり、自社の若い社員にお願いして、Zoom(ズーム=ウェブ会議システム)の使い方を教えてもらいました。自分の足りない部分を認め、「学ぶ」という謙虚で柔軟な姿勢が苦境を乗り越えるために不可欠だと痛感したからです。

コロナ禍以前から、仏教経営者塾では「リーダーとして、まず自分が変わる」という姿勢を学んできました。それによって社員が変わり、職場の雰囲気が変わり、業績が変わっていくと教えて頂き、実践した方はその通りになっています。これは、仏教の「縁起観」に基づいた経営の考え方です。「全ての因は自分にある」と理解し、仕事への向き合い方を変えていくと会社に良い循環が生まれます。

どのような状況でも、第一歩を踏み出すのは自分。そう自覚して、経営者が率先して変化していくことを「オン塾」で確かめ合っています。

――「六花の会」の今後の取り組みは?

「六花の会」の顧問を務める國富敬二理事長さんは、佼成新聞に掲載された今年の「年頭所感」で、困難に直面した開祖さまが、「よーし、いよいよ面白くなってきたぞ」とおっしゃり、前向きな姿勢で事に当たられたとのエピソードを紹介してくださいました。私たちも開祖さまに倣い、「この苦境を越えたら怖いものなしだ」と声をかけ合い、知恵を出し合って、この困難な時代を共に生き残りたいと考えています。

教会の法座では、会員さんの苦を自らの問題と受けとめて寄り添い、教えを基に解決を図っていきます。六花の会もそのように、個人事業主を含めた経営者同士がそれぞれの悩みを自分事として受けとめ、励まし合い、教えに照らして解決策を見いだそうとしています。悩みのない経営者はいません。私もその一人ですが、「オン塾」に参加すると、「よし、俺も頑張ろう」と気持ちが切り替わります。

これまで教会や支教区単位で活動を続けており、一人でも多くの経営者に参加して頂きたいと願っています。会員の皆さまには、身近に経営者や個人事業主の方がおられましたら、ぜひ、「六花の会」のことを伝え、縁をつないで頂きますようお願いいたします。