庭野光祥次代会長に聞く――『宗教協力が育む力』(2)
立正佼成会の庭野光祥次代会長は現在、世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)の国際共同議長であり、また同日本委員会の理事を務めている。
国際共同議長としてはこれまで、アジアを中心に各国の国内委員会(IRC)主催の会合などに出席。昨年8月のドイツ・リンダウでの第10回世界大会では開会式でスピーチし、対話と協力の推進に取り組んできた。今回はWCRP/RfP国際共同議長としての活動について伺った。
WCRP国際共同議長として
――2013年にオーストリア・ウィーンで行われた第9回世界大会で国際共同議長に就任されました
世界大会への参加は、2006年に京都で行われた第8回大会が最初です。続くウィーンの大会で国際共同議長に就任することになったのですが、突然のことで驚きました。
それ以降、国際委員会の副事務総長を務める杉野恭一さんのコーディネートで、アジアを中心に各国を訪問させて頂きました。訪問の目的は、国内委員会(IRC)を構成する宗教者との会合や会議に出席するためです。初めは「何もできない」と感じていたのですが、実は国際共同議長が足を運ぶことそのものが重要で、例えばシンポジウム開催のために国会議員と面会することで、その国での諸宗教対話の認知が高まりますし、また国際委員会と各国内委員会の連携、国内委員会の活動の広がりにつながっていきます。最近は、どの国も女性や青年宗教者の活躍が目覚ましく、その連帯を一層広げていきたいと願っています。
昨年の5月と11月にはミャンマーを訪問し、「ミャンマーにおける国内和解と平和的繁栄のためのRfPアドバイザリー・フォーラム」に出席しました。このフォーラムはロヒンギャをめぐる問題をはじめ、いくつもの民族対立を抱えるこの国の平和を支援するためのものです。これまで、さまざまな国際機関や国際社会がミャンマーの和解に取り組みましたが、主要な当事者を伴って、本格的な活動が継続的になされているのはWCRP/RfPのみといわれています。現実には課題が山積していますが、ミャンマーの人々の主体性を尊重しながらサポートする姿勢が受け入れられ、建設的な対話が進んでいくことを願っています。