佼成カウンセリング研究所の吉田所長に聞く 多岐にわたる相談と心に寄り添う

佼成カウンセリング研究所(東京・杉並区)では、東京、千葉、埼玉、神奈川、大阪の1都1府3県に電話による「佼成心の相談室」を設けている。相談は年間で約7000件。有資格者のカウンセラーが日々、さまざまな苦悩や不安を抱える人たちに寄り添っている。このほか、同研究所では面接相談にも対応している。現在の相談傾向について、吉田容子所長に話を聞いた。

吉田所長の話

吉田所長

現代は多様性の時代であり、会員、未会員を問わず、不安を抱えた方々から、さまざまな問題や悩みの相談が寄せられています。お話しになることは、夫婦・親子・男女の身近な人間関係から近所・職場の対人関係、健康や仕事、人生や生き方まで、多岐にわたります。「佼成心の相談室」では、一人で悩み、苦しみ、つらい思いを抱えている人たちに寄り添い、「今の気持ち」を聴かせてもらうことを大事にして活動してきました。

核家族化が進み、特に都市部では隣近所との交流も少なく、お互いに助け合う関係を築きにくい環境にあります。その上、今はインターネットの発達により対面での会話が減少し、人間関係が希薄になっています。電話相談室を頼りにされる背景には、こうしたことも影響していると思います。

ここ数年、男性からの相談も増えています。親や配偶者の介護に携わる人が増え、介護それ自体の悩みだけでなく、介護と仕事の両立の大変さ、そうした事情からの生活苦などを話される方が多く、社会情勢の変化が相談の内容に反映しているように感じます。

また、精神疾患や障がいのある方は、周囲に理解されずに生きづらさを感じている人が少なくないようです。そういう方々の日々の不安に耳を傾け、ご一緒する時間を持つことで、少しでも生きやすくなればと念願しています。

電話相談には、どこからでもつながることができ、自分の本音を言いやすいという特徴があります。そうした求めに対し、私たちの役割は、答えを提示することではありません。どんな人からの相談にも耳を傾け、相手の心に寄り添う――傾聴する姿勢を大事にしています。

今、新型コロナウイルスの影響により、人が移動し、集まることが自粛され、人と会えない中で、不安を抱えたまま長く時を過ごさなければならない方もいらっしゃるでしょう。他の人とつながり、自分の気持ちを伝えて、一人で抱え込まないために電話相談があります。人に話すことで解決の糸口や心を軽くするきっかけになるかもしれません。また、人と話す機会が少ない方にとっては、その日の貴重な会話になるかもしれません。私たちは一期一会のご縁に感謝し、大切にしていきます。

人間関係が希薄になる中で、孤立する人が増えている状況に胸が痛みます。同時に、今、神仏から「これまでの生き方で本当に良いのか」と問われているようにも感じます。もっともっと人と人が出会い、関係を持ち、会話をし、信頼関係を築いていける社会へ――お互いに、いのちを輝かせられる生き方のお手伝いができればと強く願っています。

各種相談室のご案内

あなたのこと、家族のこと、職場や学校のこと、悩み、不安、困っていることなどの相談に応じます。相談はカウンセラーが応じています。相談内容は秘密を厳守します。

佼成カウンセリング相談室

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