WCRP/RfP国際委 事務総長に就任するカラム氏に聞く 『RfPは私にとって果たすべき「使命」』

昨年8月の世界大会で新事務総長に選出され、スピーチに立つカラム氏。選出後、各国委員会の中で最初に日本を訪れた

大切なのは生き方、情熱、未来

――国連での要職を離れて、WCRP/RfP国際委員会の事務総長に就かれます。選考の面談では、国連の要職を去る覚悟があるのかといった選考委員の質問に対し、カラム氏は「あなた方は、RfPにはそれだけの価値があることをご存じないのですか?」と答えたと聞いています。どのような思いからだったのでしょう?

私は、RfPを「組織」としてではなく、人生をかけての願い、つまり「使命」として受けとめています。そうした考えからお答えしました。諸宗教が手を携えて共に働く、信仰を持つ人々が集うという考え方そのものが、私にとって最も重要な生きる意味なのです。

ですから、信仰を持つ人々を結び付けるという目的のために働くことにおいて、組織が何であるかは問題ではありません。大切なのは生き方であり、情熱であり、未来についてです。これが、私がRfPに引き付けられた明確な理由です。

私は国連の取り組みをとても信頼しています。国連もまた、人々を結び付けるものだからです。

RfPとは、人々の生きた“信仰”の象徴であり、私はそのことを幸運に感じています。RfPには信仰があり、そして信仰のために信仰を持って働くという使命があると信じています。これは、私にとって最も力強い存在であると言えます。そういう意味で、RfPを「組織」という観点から見ていないと申し上げたのです。

一つの組織から別の組織に移る、そうした転職という意識は私にはありません。私は使命を果たすために、使命に仕えるためにRfPに移ってきたのです。ここであれば、使命を果たすことができる――これこそがRfPの素晴らしさであると確信しています。

――今後の抱負を聞かせてください

宗教間の取り組みは、われわれが暮らす環境、人々、政治を救うことになる最初の手段です。RfPが宗教間の精神的連帯という大衆運動を促進する、とても重要な役割を果たすところを見たいと思っています。その役割とは――国、地域、世界レベルで活動する既存の機関を支援し、人と人とがもう少し繊細に気を配り合う世界、地球という名にふさわしく、人々を癒やすことができる世界の実現に向けたものです。RfPが、地球を救う起点になることを願っています。

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