佼成病院の甲能直幸院長に聞く 新型コロナウイルスによる感染症の流行 予防のポイント
それでは、こうしたウイルスの感染を防ぐにはどうすればいいのでしょう。感染症予防の基本は、手洗いやうがい、マスクの着用などを励行することです。
ウイルスの感染は、飛沫(ひまつ)感染や空気感染によって広がります。特に、冬の寒さで体温が低下すると、体の抵抗力が弱り、空気中に浮遊しているウイルスが口や鼻から体内に侵入しやすくなります。また、直接的な接触はなくても、くしゃみやせきなどで飛び散ったウイルスは、ドアノブやエレベーターのボタン、手すり、つり革などに付着し、人の手を介して感染が広がってしまうのです。これらを防ぐ意味でも、手洗いやうがい、マスクの着用は、感染症予防の有効な手段なのです。
仮に、せきや発熱などで新型コロナウイルスによる肺炎が疑われる場合は、直接医療機関へ出向くのではなく、最寄りの保健所へ相談してみてください。感染症専門の総合病院を紹介されるなど、適切に対応してくれるはずです。
一方、注意してほしいのは、インターネットのフェイクニュースなどの信憑性(しんぴょうせい)の低い情報に踊らされないことです。冷静に対応して頂けたらと思います。
新型コロナウイルスに限らず、この季節はインフルエンザや風邪が流行しますから、手洗いやうがい、マスクの着用を徹底し、十分な睡眠、栄養をとってウイルスに負けない健康な生活を心がけたいものです。
プロフィル
こうの・なおゆき 1948年、東京都生まれ。74年に慶應義塾大学医学部を卒業後、米国留学を経て、順天堂大学医学部附属順天堂医院、防衛医科大学校、杏林大学医学部などで勤務。2008年より杏林大学医学部付属病院副院長、10年より病院長を務め、15年4月、立正佼成会附属佼成病院の院長に就任した。