本会「一食研修ツアー ミャンマー事業」の一行が現地視察 教育の充実に生かされる浄財

パーイェーアーシェ小学校での読み聞かせの授業。SVAのスタッフがページをめくると、児童たちは大きな声で絵本を読んでいた

立正佼成会の「一食(いちじき)研修ツアー ミャンマー事業」の一行16人が、9月16日から21日までミャンマーを訪れた(ニュース既報)。一食研修ツアーは、「一食を捧げる運動」に取り組む会員が浄財の活用状況を視察するためのもの。一行は、助成先のシャンティ国際ボランティア会(SVA)が児童を対象に行っている読書推進事業を視察した。また、国連世界食糧計画(国連WFP)のヤンゴン事務所を訪れ、児童の就学率向上のために本会一食平和基金が資金助成する学校給食事業について説明を受けた。現地支援先の様子と参加した会員の声を紹介する。

給食と読書を通し子供たちの未来を育む

ミャンマーでは、2011年の民政移管以降、経済が急成長し、国の教育予算も増加している。また、ヤンゴンをはじめ都市部では国際社会からの支援や外資系企業の投資により、学校施設の整備や学習教材の製作・普及が促進された。暗記中心型の教育から、子供の想像力や思考力を伸ばす学習への転換も図られ、教育の質が大幅に向上している。

しかし、都市から離れた農村部では支援が行き届かず、学校施設の建設や教材の配布も十分ではない。加えて、国の人口の約4割を占める貧困層のほとんどが農村部に住み、この地域では初・中等教育を受けられない子供が少なくない。

この状況を受け、本会一食平和基金は農村での教育機会の普及や小学校の教育の向上が必要と判断し、国連WFPとSVAの事業を支援する。この中で国連WFPは、貧困により初等教育を受けられない家庭を多く抱える地域の小学校に対し、学校給食事業を実施している。

国連WFPのヤンゴン事務所を訪問。事務所スタッフから学校給食事業について説明を受けた

一行は9月17日に国連WFPのヤンゴン事務所を訪問。事業についてシリア・レフティネン氏から説明を受け、学校給食があることで、栄養状態が改善され、出席率の向上につながることを学んだ。その後、ヤンゴン市内にある日本人墓地や第二次世界大戦時の連合国軍の墓地を訪れ、犠牲者に慰霊の誠を捧げた。

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