ウィーンでの国際会議 光祥次代会長のスピーチ(全文)

『宗教間・文明間の協力から人類の連帯へ』をテーマにした国際会議が6月19日、オーストリア・ウィーンのホーフブルク宮殿で開催され、開会式の席上、庭野光祥次代会長が英語でスピーチした。この国際会議はアゼルバイジャン政府が主導してきたもので、スピーチの中で光祥次代会長は、同国と立正佼成会のつながりとして「親子で取り組むゆめポッケ」を紹介した。未来を生きる子供たちが、「ゆめポッケ」の活動を通して他者の苦しみを感じ、平和への行動を起こす――そう期待を寄せ、人類の連帯を呼び掛けたスピーチ(日本語訳全文)を掲載する。

私たちは宗教間、文化間の懸け橋になる

政治指導者、宗教指導者、ご来賓の皆さま、姉妹兄弟の皆さま、おはようございます。

この素晴らしい大会にご参集くださいました皆さまを、壇上の他の方々と共に歓迎できますこと、KAICIID(アブドッラー国王宗教・文化間対話のための国際センター)の理事としてとても光栄に存じます。

「皆が安心して、幸せに生きていけるように」。このシンプルな、けれど最も根源的な人類共通の願いを実現するため、対立によって受けた痛み、悲しみの中から立ち上がり、これまで皆さまが払われてきたご努力と勇気に、心より敬意を表します。

私は、立正佼成会という日本の仏教団体から参りました。仏教では、「世界には孤立して存在しているものはなく、すべてのものはつながり合って存在している」「私は、私以外のすべての存在に支えられている」と教え、世界をつながり合う一つのいのちと捉えます。

私たち(立正佼成会会員)は「宗教間、文化間の懸け橋になる」という開祖の決意のもと、50年以上にわたって諸宗教対話・協力の活動を続けてまいりました。

私はまだ一度もアゼルバイジャンを訪問したことはありません。けれど、私にとってアゼルバイジャンとのつながりは特別なものです。なぜなら、私たちの団体では、子供たちがお母さんと一緒に、おもちゃや文房具を手作りの袋に詰めて、紛争下にいる子供たちや、難民となって厳しい状況下にある子供たちの元に届ける「ゆめポッケ」の活動を1994年以来続けているからです。

日本から届けられたゆめポッケを大事そうに抱えるアゼルバイジャンの子供たち(2007年)

これまで計110万8906個のゆめポッケを旧ユーゴスラビア、北アイルランド、パレスチナ、レバノン、イスラエル、アフガニスタン、スリランカ、フィリピン・ミンダナオなどにおくってきました。この間、2004年から2013年まで、アゼルバイジャンにも、計3万4351個のゆめポッケが届けられました。