NPT準備委に際しWCRP/RfP日本委が取り組み 「核兵器のない世界」の実現目指してPNND、「ヒバクシャ国際署名」と協働
核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けたNPT加盟国(191カ国)による第3回準備委員会が4月29日から5月10日まで、ニューヨークの国連本部で開催された。これに合わせ、世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会は、核兵器禁止条約批准タスクフォースの神谷昌道運営委員と事務局の篠原祥哲総務部長を派遣。核軍縮・不拡散議員連盟(PNND)や、「ヒバクシャ国際署名」と協働し、国連本部で行われた二つのサイドイベントで核軍縮や核兵器廃絶を訴えた。
来年、国連本部でNPT再検討会議が行われる。準備委員会は、5年ごとに開かれる再検討会議に向け、議論のたたき台となる「勧告」を作成するためのもの。だが、今回は勧告を採択できずに閉幕した。核兵器国と非核兵器国との主張の違いが大きかったからだ。
核廃絶に向けては、一昨年に国連で核兵器禁止条約が採択された。WCRP/RfP日本委員会では「核兵器のない世界」を実現するため取り組みを進めており、準備委員会の開催に際しても二つの活動を実施した。
一つは、4月25日にPNND日本と「核兵器廃絶に向けた共同提言文」を作成したこと。提言文は、PNND日本から近藤昭一副会長(衆議院議員)、鈴木馨祐事務局長(同)、冨岡勉氏(同)、山内康一氏(同)、藤末健三氏(参議院議員)が、同日本委から中村憲一郎核兵器禁止条約批准タスクフォース責任者(立正佼成会常務理事)、國富敬二事務局長などが出席してまとめられたものだ。5月1日に国連本部で行われたPNND主催のサイドイベント「核リスク削減と核軍縮のための議員アクション」の席上、神谷氏から発表された。
当日はPNND創設者で、カナダの国連軍縮大使を務めたダグラス・ロウチ氏が、核軍縮における国会議員の使命に触れ、連帯の強化を訴えた。PNNDグローバル・コーディネーターのアラン・ウェア氏は、PNND日本と同日本委の共同提言文が議員と宗教者との具体的な連携を示しており、各国の活動モデルになると話した。
二つ目の活動は、ヒバクシャ国際署名への協力だ。同日本委は同国際署名連絡会に参加しており、今回、この取り組みを推進する日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の木戸季市事務局長、濱住治郎氏の渡航費を支援。同3日には同国際署名と、国連本部でサイドイベント「ヒバクシャ・アピール」を開催した。
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