一食ユニセフ募金の浄財がリベリアで 女性や子どもの笑顔があふれる社会に
学校での暴力をなくす活動を支援
子どもたちを守るプロジェクトを視察するため、教育の現場にも足を運んだ。ボン郡のドロケレン・グボーヴェ・ライオン・キングダム高校と、ニンバ郡のJWピアソン公立高校では、子どもたちによる人権啓発活動「バディ・システム」に取り組む学校の生徒たちから話を聞いた。
バディ・システムとは、生徒が共に助け合い、学校などでのあらゆる暴力から自身で身を守る仕組みのこと。内戦が起きる以前から、子どもの権利が軽視されがちで、教育現場や家庭での「しつけ」と称した体罰は多い。特に問題なのは、中学や高校で悪質な教師が落第しそうな生徒に対し、進級を許す代わりに性行為や労働を要求するといった搾取の横行だという。
ユニセフとIRCLはこうした実態に対応するため、3郡の15校から選出された代表生徒男女30人に、「子どもの権利」や児童保護の大切さ、10代の妊娠の問題点について教える人権教育を実施した。この中では、『私の体は私のもの』というメッセージが伝えられ、多くの生徒と協力して自分たちの権利を守ることが暴力をなくしていくことにつながると教えられる。これを受けた生徒たちは、学校に戻って協力者を募り、クラブ活動のような形で全校生徒に人権啓発を行うほか、暴力被害などの悩みを抱える生徒の相談に乗るなどして、子どもの権利が守られるよう、自主的に活動を進めていく。バディ・システムの推進には郡のジェンダー省や学校、社会福祉士らが協力しており、定期的なモニタリングが行われている。