アフリカへ毛布をおくる運動 マラウイでの視察を終えて 同運動推進委員会事務局員で本会習学部の中山スタッフに聞く
飢餓や紛争に苦しむアフリカの人々の幸せを願い、日本から毛布を届ける「アフリカへ毛布をおくる運動」(主催・同運動推進委員会)は、市民の善意によって続けられている。このほど、同運動推進委員会事務局員を務める中山悦宏氏(立正佼成会習学部スタッフ)がマラウイを訪れた。昨年に日本で集められた毛布の配付活動や、毛布を受け取った人々の生活状態の視察が目的だ。中山氏に、現地の状況を聞いた。
アフリカ大陸東部にあるマラウイは今、深刻な状況に置かれています。この国は最貧国の一つで、世界銀行が定める国際貧困ラインの、一日1.90ドル以下で生活する人が約1000万人に上ります。これは、総人口の7割に当たります。さらに、HIV(エイズウイルス)の感染率も高く、15歳から49歳までの人口の9.1%がHIV感染者で、現地では感染拡大の防止に向けた意識啓発が求められています。
今回、私は、アフリカへ毛布をおくる運動推進委員会の構成団体であるNPO法人「AMDA社会開発機構」(AMDA-MINDS)の田中一弘海外事業部長と共に同国を訪れました。現地に到着後、本会のパートナー団体として1999年から毛布の輸送や配付を担っているマラウイ赤十字社(MRCS)のスタッフと同行し、北部の「ブア」「ルンピ」「ムジンバ」の3地区に向かいました。3地区にはHIV感染者やエイズ患者が多く、両親をエイズで亡くした孤児のほか、高齢者や障害者が取り残されるといった問題が起きています。私たちはそれぞれの地区を回り、合計1500枚近くの毛布を配付しました。
配付地では、MRCSのスタッフが一人ひとりに毛布を手渡しながら、「この毛布は日本の方が家を一軒ずつ訪ねて集めたもの」と説明していました。受け取った方々は笑みをたたえ、とてもうれしそうでした。そして、毛布に縫い付けられた「日本から大きな愛を込めて」などと手書きされた英語のメッセージを読み、「私も日本の方々を愛しています」と、口々に喜びを伝えてくれたのです。