WCRP/RfP日本委「平和と和解のためのファシリテーター養成セミナー」開催

参加者は対立と和解の構図について意見を交わした

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会「和解の教育タスクフォース」による「平和と和解のためのファシリテーター養成セミナー」(第1回)が7月29、30の両日、立正佼成会神戸教会を会場に行われた。宗教者、大学院生、大学生、NGO関係者など43人が参加。和解の教育タスクフォース運営委員として、本会から庭野光祥次代会長(WCRP/RfP日本委員会理事)が出席した。

同セミナーは、日常生活に起こる課題から国際レベルの問題まで、さまざまな対立を乗り越えて和解をもたらす人材(ファシリテーター)の育成を目的として、全8回のプログラムで開催される。

第1回のテーマは『違いをみつめる』。松井ケティ・清泉女子大学教授(WCRP/RfP日本委女性部会委員)指導のもと、「対立とは何か」「多様性とは」などについてグループディスカッションが行われた。参加者は、対立と和解の構図について意見を出し合い、互いの偏見によって、身近なところにあらゆる対立が存在していることを確認。「“違い”の認識は、建設的な人間関係をつくるために不可欠である」とする結論を導き出し、和解に向けたコミュニケーション方法を学んだ。

さらに、フィールドワークとして、山本俊正・関西学院大学教授(WCRP日本委員会理事)の案内により、神戸ムスリムモスク、カトリック神戸中央教会、生田神社、賀川記念館など、神戸に点在する宗教施設を訪問。それぞれの施設では、教義や祈りの形式、信仰生活の様子などについて講義を受けた。

参加者の一人、浄土真宗単立泰心山西栄寺僧括の吉田敬一さん(48)は、「他宗教について学べたことは大変有意義でした。さまざまな宗教と諸外国の異文化が共存共栄してきた神戸の歴史は、多様性を認め合うことがいかに大切であるかを物語っていると感じました。“対立”は身近なところにありますが、たとえ対立しても、その先には和解の喜びがあることを信じて触れ合っていきたい」と感想を語っていた。