WCRP/RfP国際共同議長としてモンゴルを訪れた光祥次代会長 仏教指導者をはじめ各界の識者と懇談

光祥次代会長はモンゴルの仏教指導者をはじめ各界の識者と面会し、対話を重ねた(写真はガンダン寺大ゲル講堂での会合)

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)国際共同議長として7月24日から28日まで、モンゴル・ウランバートルを訪れた庭野光祥次代会長は、同国の国会議員や宗教指導者、研究者、市民団体の代表らと懇談した。

今回の訪問は、同国の諸宗教対話の促進を図るもの。WCRP/RfPモンゴル委員会事務総長を務める、ガンダン・テグチンレン寺院のブルガン僧正が同国際委に働き掛け、実施された。また、砂漠化が進む同国ではモンゴル委の青年らが気候変動に対する取り組みの準備を進めており、この問題についての意見交換も行われた。

アジア宗教者平和会議(ACRP)の根本信博事務総長、WCRP/RfP国際委員会の杉野恭一副事務総長、WCRP/RfP日本委員会の和田惠久巳総務部長が同行した。

モンゴルの諸宗教者、国会議員らと会談 諸課題解決へ宗教の智慧を

国会議事堂で、ムンフツェツェグ議員(奥左)、エンフボルド議員(奥右)と面会

モンゴル滞在中の光祥次代会長は25日午前、国会議事堂で人民党のゴンピルドー・ムンフツェツェグ議員、ルブサン・エンフボルド議員と面会した。ムンフツェツェグ氏は、市場経済への移行や人口の急増、国民のライフスタイルの変化により、大気や環境が汚染され、人体への影響も懸念される国内の状況を説明した。その上で、環境を回復する政策を進めるとともに宗教の精神性を基にした人々の意識改革の必要性を指摘。WCRP/RfPモンゴル委と政治家との懸け橋になり、政治の場に宗教の智見を生かしていく意向を示した。

ウェンスラオ・パディラ司教(中央)と懇談

午後には、カトリック教会のウェンスラオ・パディラ司教と懇談した。冒頭、杉野氏がWCRP/RfPの理念や活動、同モンゴル委が進めている青年の気候変動に関するワークショップの概要などを紹介し、協力を要請。これに対し、カトリック教会側は参画を了承した。また、諸宗教者が連携し、課題解決に取り組む大切さについて語り合った。


ガンダン寺境内の施設を見学する光祥次代会長ら一行

26日午前、ガンダン寺の施設を見学した光祥次代会長は、同寺大ゲル講堂で行われた仏教指導者や市民団体の代表者による会合に参加。近年の雨不足により国土の7割で砂漠化が進み、雪害によって遊牧民に影響が出ているとの説明に耳を傾けた。また、僧侶らが行っている植林や井戸の掘削などを通じた遊牧民への支援が報告され、仏教指導者が環境を守るための生き方を人々に示す重要性を全員で確認した。

この後、市内のホテルで宗教者や研究者ら14人と会議。行政の環境保護の活動に宗教者が協働して取り組み、宗教的精神を国民に伝える必要性や、青年への教育の実施について話し合われた。その上で光祥次代会長は、「吾唯知足」(われただ足るを知る)という禅語を紹介し、人間が生きるのに必要なものはすでに神仏から与えられており、貪(むさぼ)りの心を抑えることが大切との意味を解説。「気候変動の問題は神仏からのメッセージではないかと思います。私たちが人間本来の生き方に戻るチャンスを与えられたのかもしれません」と語った。


核廃絶についてエンフサイハン氏(中央)と意見を交わした

翌27日午前には、WCRP/RfPが進める核廃絶・軍縮のパートナーとして、同国で核不拡散や紛争予防などに取り組むNGO「ブルー・バナー」のオフィスを訪れ、元国連大使のJ・エンフサイハン所長と懇談。エンフサイハン氏は、7月7日に国連本部で採択された「核兵器禁止条約」や北東アジア非核地帯構想などに触れながら、日本や宗教界の果たすべき役割について意見を述べた。