本会一食平和基金がJENによるアジア・中東3カ国での事業報告会を開催

JENの木山事務局長(左から2人目)は、一食からの支援に謝意を表した

認定NPO法人ジェン(JEN)の木山啓子事務局長、同グローバル事業部の寺田美知子プログラムオフィサー、アズマット・アリ現地事業統括らが7月31日、立正佼成会本部を訪れ、アジア・中東の3カ国で行った昨年の各事業について、写真や映像を交えて報告した。熊野隆規理事長、本会一食(いちじき)基金運営委の委員長である山中快之教務部長、JENの副代表理事を務める齋藤高市大田教会長らが出席した。

国連機関やNGOに多大な経済援助を行ってきた米国際開発庁(USAID)が、援助より貿易や投資を優先するトランプ政権によって、昨年、解体に追い込まれた。自然災害や紛争が続き、国際的な人道支援の必要性がかつてないほどに高まる中でのこの出来事は、世界の人道支援活動に深刻な打撃を与えた。

国内外で支援事業を行うJENも厳しい影響を受けたが、人々の生活の持続可能な自立のために活動地に踏みとどまり、事業を継続。同基金はJENの活動を支えようと、2025年の「人道緊急・復興支援事業」として、「一食を捧げる運動」(一食運動)を実践する会員の真心からの浄財2000万円を寄託した。

当日、寺田氏は、パキスタンで発生した22年の大洪水によって住居や農地などの生活基盤を失った人々の状況を伝え、同国シンド州ダドゥ郡の被災農家を対象に実施する「シードシェア事業」を報告。大麦や小麦などの認証種子を使った効率の良い農法を伝授し、収穫後の種子を農法とともに新たな農家に提供する取り組みを繰り返した結果、収穫量が大幅に増え、支援地域に住む多くの農家は暮らしを着実に回復させていると説明した。

一方、ここ40年間で起きた度重なる紛争や政変の影響でパキスタンに逃れたアフガニスタンの人々が、強制送還などで祖国に帰還せざるを得ない現状にも触れた。

元々、貧困や食料不安に直面する地域の人道危機が悪化する状況を踏まえ、生活に困窮する帰還民や地元住民の世帯に食料を配布。食料を受け取った帰還民の男性たちが地元住民と協力して劣化した灌漑(かんがい)用水路の修復に従事したことで助け合いの関係が生まれ、地元住民と帰還民の融和に結びついたと話した。

また、昨年8月のアフガニスタン東部地震で被災したクナール県の避難所で調理した温かい食事を配ることで、被災者の心と健康の回復に努めたと述べた。

続いて、木山事務局長が、昨年までの3年間、現地団体を通じてトルコで実施した人材育成事業に言及。内戦や地震の被害から同国ブルサ県に逃れたシリア難民と、彼らを受け入れるコミュニティーに対し、調理や美容など需要の高い業種の職業訓練とトルコ語の授業を行い、就職をサポートしたと報告した。

最後に、木山事務局長が事業全体を総括。国際人道支援の構造が根底から揺らいだ昨年のUSAID解体に加え、ウクライナ紛争などの影響で世界的に高騰する肥料の調達に苦慮するパキスタンでのシードシェア事業や、人道支援が安全に行える「ヒューマニタリアンスペース」が制限されるアフガニスタンでの活動など、支援現場の厳しい状況を解説した。

そうした中でも活動できたのは、本会会員による温かい支えのおかげであると述べ、「支援を待つ人々に希望の光を届けられたと感じる時、支えてくださる皆さまへの感謝でいっぱいになります」と強調。今後も緊急事態からの自立に向けた持続可能な支援を被災者と共に考えて実施できるよう、力を尽くしていきたいと語った。

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