令和8年熊本地震 寄り添い力を合わせ支援の連鎖へ

八代教会の会員と本部派遣隊が協力し、がれきの撤去や救援物資の搬入などを行った
ドーンという大きな地響きの後、10年前の災禍を思い起こさせる大地震が熊本を襲った。令和8年7月28日午後4時27分、熊本県熊本地方を震源とする「令和8年熊本地震」が発生した。地震の規模を示すマグニチュードは7.1。被災地では、40度に迫る猛暑日が続く中でライフラインが断たれ、断水が解消されないなど、被災者は厳しい環境での生活を強いられている。
教団本部は発災の翌29日、熊野隆規理事長を本部長とする災害対策本部を設置。被災地域を包括する八代教会、熊本教会の被害状況を把握し、ニーズに沿って迅速な支援体制を築くため、30日に現地へ本部スタッフを派遣した。また、本会は8月1日、同地震の被災者を見舞い、犠牲者の冥福を祈るメッセージを発表した。今後は、近隣教会などからの会員ボランティアが支援活動に当たる予定だ。

地震発生の時刻で止まったままの時計
今回の震源は、2016年に起きた熊本地震の活動域の南西側に位置する日奈久断層帯の一部とみられる。内閣府の発表によると、熊本県の宇城市、氷川町で最大震度7を観測。八代市、宇土市、熊本市なども震度6強の揺れに見舞われた。7月28日以降も断続的に地震が発生しており、家屋などに多数の被害が出ている。8月19日現在、地震による死者は39人に上る。電気は概(おおむ)ね復旧したものの、県内の4890戸で断水が続く。2966人が避難所で生活しており、車中泊や親戚宅に身を寄せる人もいる。
8月15日までに、被災地域を包括する八代、熊本の両教会から教団の災害対策本部に寄せられた情報によると、今回の地震で多くの会員宅が損壊し、避難所での生活を余儀なくされている人もいる。また、断水による生活用水の不足、家具の転倒といった被害も数多く報告されている。

本部派遣隊は、被災教会の状況を把握して支援体制の構築に努めた
教会施設については、今年9月に入仏式を迎える八代教会の新道場に大きな損傷はなかった。一方、旧道場では、漏水や内壁の崩落、敷地内の地盤沈下などが生じた。熊本教会では、道場につながる水道管の破損が確認されたが、建物に大きな被害はなかった。
また、両教会では、発災後から支部長らが中心となり、会員の安否や被災状況の確認が懸命に進められた。本部派遣隊とも協力しながら、被災した会員宅を訪問して個々人のニーズを把握。酷暑が続く中で家屋の損壊や断水に見舞われ、飲料水、食料品、汗拭きシートや簡易トイレといった衛生用品などが不足しているという声が上がった。
災害対策本部に寄せられた情報を基に、南九州、北九州両支教区の教会などから、飲料水やインスタント食品といった救援物資が搬入された。両教会では教会幹部らが地域をきめ細かに回り、被災した会員に物資を届けている。
特に被害の大きかった八代教会では、会員同士が支え合って苦境を乗り越えようとしている。女性会員(88)は、自宅の台所付近で地震に遭った。恐怖で足がすくみ、その場に座り込むと、リビングでは防災対策を施していたはずの食器棚やキャビネットが転倒。部屋は倒れた家具や割れた食器などで埋め尽くされた。

倒壊したブロック塀の撤去にあたる会員たち
独り暮らしで、片付けをする気力も起きずにいたとき、自身も被災した支部長(70)らが支援物資を持って何度も家を訪れた。体調や生活の様子を気遣いながら、本部派遣隊と共に散乱した室内の整理にも取り組んでくれた。熊谷さんは、支部長たちの顔を見ると安堵(あんど)すると話し、「本当に有り難いです」と何度も感謝を口にした。橋口支部長は、「(地震後に)皆さんのことが心配になり、無我夢中で会員さんの家を回りました。顔を見ることができると私も安心できます」と語った。
また、8月8日には、壮年部長(67)の実家に、人吉、水俣の地域道場から壮年部員らが駆けつけ、炎天下、倒壊したブロック塀の撤去に当たった。「自分の家族だけではとてもできない。手伝って頂いた壮年部の仲間に感謝です」と壮年部長は話した。
災害対策本部は先ごろ、八代教会に会員ボランティアの派遣を決定。今後、被災した会員の要望に応える形で、災害ごみの収集や仮置場への運搬などの支援を行う予定だ。




