壮年部の活動 幸せに向かう道を仲間と歩む

活動報告を受ける千葉支教区壮年部員たち
コロナ禍を経て、壮年部活動が新たに始動している。教会の枠を超えた交流法座や練成会、青少年活動の陰役……。壮年部のさまざまな活動は、自らの信仰を見つめ、奉仕の喜びを味わい、法友とのつながりを実感する場だ。このほど行われた、千葉、多摩両支教区の活動を通して、壮年たちの“現在(いま)”を紹介する。
「ダーナ総会ちば133」千葉支教区 心豊かにつながる仲間づくりを
8月2、3の両日、千葉支教区の壮年部員200人が第二団参会館に集結した。次世代の壮年部員の育成と信仰の継承を目的に、「ダーナ総会ちば133」に参加するためだ。総会テーマは『明るく 楽しく 心豊かにつながる仲間づくりをしよう 』。コロナ過で5年の歳月を経ての開催となった。
総会名の「133」は同支教区の総支部数を表す。同支教区の教会から 、支部壮年部長と次代の牽引を期待される壮年部員の二人一組で参加。宿泊やグループトークを行う班編成も、教会が重ならないよう編成された。
総会初日の2日、『ここがヘンだよ!佼成会・ここがイイよ私の教会 壮年部』をテーマにグループトークが行われた 。各班では、それぞれに信仰生活を振り返りながら、これまでの育成の在り方が現代では通用しない実情や、若い人への触れ合い方の難しさなどが話題に上がった。
翌3日は、銚子、市川、松戸、千葉の4教会の壮年部員がミニ体験説法を行った。この中で松戸教会のHさん(59)は、急死した会員の通夜で導師の役を受けた際、回向文の内容が知らぬ間に変更されたと錯覚して読み上げられなくなり、長い沈黙の時が流れてしまったと述懐。情けない思いになったが、翌日遺族から「回向文が途切れた際の沈黙に、突然予期せぬ死を迎えなければならなかった故人の無念の思いが現れていたのでしょう、あの間がとても良かった」との言葉をかけられた。その経験を振り返り、生かされていることの有り難さを実感し、自分にできることは何でもすると誓願した。
銚子教会のKさん(46)は、職場のAさんからミスを何度も指摘され、心が折れそうになった際、妻に相談し、見方を整える中で「お歳暮」を贈ることを思いついたことを紹介。品物を選ぶ中で、仕事を教えてもらった感謝の思いが湧き、相手の言動に振り回されて言葉の奥にある思いに気づけない自分に思いが至った経験を語り、人も現象も一方的な見方ではなく多角的に捉えていくと誓った。
この他、熊野隆規理事長による講話などが行われた。
総会を通し、気づきを得た参加者も多い。横浜市で暮らす市川教会のSさん(51)は、市川市の実家で一人暮らしの母親が最近認知症を発症し、部活に情熱をかけている小学5年生の娘とPTA会長を務める妻を連れて実家に引っ越すか、母親を呼び寄せるかという悩みを抱えて総会に参加したという。今まで一人で悩んできたつらさを、総会に参加してようやく相談することができたと喜び、「たくさんのアドバイスを頂き、ご供養の大切さを再認識しました。少し佼成会を離れていた私ですが、まずはご宝前へのお参りから始めていきたいと思います」と力強く語った。
総会の実行委員長を務めたI壮年部長(70)=千葉教会=は、「教会という垣根を超えた交流で得た多くのことを、教会に持ち帰って生かしていきたいです」と抱負を語った。
壮年部リーダーが集い 多摩支教区 『真っ新に彩スタート』テーマに
多摩支教区は9月14日、『真(ま)っ新(さら)に彩(さい)スタート』をテーマに豊田教会で壮年交流法座を開催し、11教会から壮年部長や支部壮年部長ら103人が参加した。コロナ禍を経て各教会の壮年部活動U活発化してきたことを受け、6年ぶりに同支教区の壮年部のリーダーが集った。
当日、参加者は異なる教会同士で4〜6人の班に分かれ、布教や若手壮年の育成、お役を通した悩みなど、教会の垣根を超えて語り合った。
A壮年部長(61)=小平教会=が法座主を務めた班では、人材育成が話題に上った。A壮年部長が各教会の取り組みを尋ねると、「婦人部と一緒に行う家庭教育に30、40代の壮年部員が夫婦で来てくれる」「若手壮年が参加しやすいよう祭りを入り口にしている」などの声が上がった。また、各教会の実情に合わせた壮年部活動の在り方などについても語り合った。
感想発表に立ったUさん(51)=立川教会壮年部庶務=は、「皆が気軽に参加できる活動を考えがちでしたが、教学研修を行っている教会の話を聞き、こうした場を作っていくことが大事なんだと改めて学びました。現在、若手壮年育成としてお父さんのための家庭教育を企画しています。若手の壮年部員とつながれるよう頑張っていきたい」と語った。
最後に、多摩支教区壮年担当の森規泰小平教会長がかみしめのあいさつ。全ての現象がさまざまに関連し、影響し合って成り立つという縁起観の教えに触れ、「楽しそうに壮年部活動をしていると必ず人がついてきます。そうした姿勢を大事にしていってください」とエールを送った。