「第42回庭野平和賞」受賞のムサーワー 大聖堂の式典であいさつ

庭野平和財団の庭野浩士理事長(右)に紹介され、ムサーワーのアンワール理事長(左)とミル=ホセイニ理事(中)が聖壇に立った

「第42回庭野平和賞」を受賞した国際NGO「ムサーワー」共同創立者のザイナ・アンワール理事長とジーバ・ミル=ホセイニ理事が5月15日、立正佼成会本部(東京都杉並区)を訪問した。庭野平和賞委員会のムハンマド・シャフィーク委員長(米国、ナザレス大学諸宗教研究対話センター所長)らが同行した。

一行は、大聖堂での「釈迦牟尼仏ご命日(布薩=ふさつ=の日)」式典に参列。式典では、会員の体験説法に続き、公益財団法人庭野平和財団の庭野浩士理事長が登壇し、ムサーワーのこれまでの歩みと功績を紹介した。

庭野理事長に招かれ、アンワール理事長とミル=ホセイニ理事が聖壇に立つと、参集した会員約1256人が盛大な拍手で迎えた。代表してあいさつを述べたミル=ホセイニ理事は、ムスリム(イスラーム教徒)の家庭や地域社会から「正義と優しさにあふれる世界を作り出す」という同団体の目的を紹介し、この願いは本会や同財団の理念と共通していると語った。

また、イスラーム神秘主義者で法学者のジャラール・ウッディーン・ルーミー師が、詩を通して、人間が経験するあらゆる感情や出来事を「受け入れていく」ということの大切さを示したと説明。この教えは仏教の無常観にも通じ、人間の本質を表すものだと述べた。その上で、同団体の活動においても、意見の相違や不正への対峙(たいじ)といった困難を「私たちを成長させ、新たな気づきをもたらす機会」と捉え、正義、慈悲、人間の尊厳を信じて取り組みを続けていると明かした。

そして、異なる宗教や伝統を持つ人々が、共に平和を願ってつながり合うことの重要性に触れ、「これからも心を開いて互いに学び合い、慈しみの心を育みながら、共に平和への道を歩んでいきたい」と決意を語った。

続いて、一行は庭野日鑛会長の法話に耳を傾けた後、一乗宝塔を参拝し、開祖記念館を訪問した。