炭素排出量や一般廃棄物の削減などに取り組む本会EMSの運用実績を発表

立正佼成会本部はこのほど、「環境マネジメントシステム」(EMS)による、平成28年次の本部諸施設の電気、ガス使用量に基づく炭素排出量や一般廃棄物(ゴミ)の削減などの取り組みの実績を発表した。

EMSは、組織や事業者が環境に関する方針や目標を自ら設定し、その達成に向けて、組織活動で生じる環境への負荷を持続的に改善する仕組み。本会では、環境問題の根本原因は「物質的・金銭的豊かさを求める私たち自身にある」とし、平成20年末にEMSを導入し、本部諸施設や青梅練成道場、生誕地道場、佼成霊園などで取り組みをスタートした。

翌年には、『環境方針』を発表。この中にある「基本姿勢」や「行動指針」に沿い、各部署で環境に配慮した業務の取り組みを進め、22年に国際標準化機構の定める規格認証「ISO14001」を取得した。以後、職員の環境意識の向上を図るとともに、太陽光発電装置や生ゴミ分解処理機を本部施設に設置するなど、炭素排出量や一般廃棄物の削減に力を注いできた。

28年次は、引き続き空調管理、照明器具の頻繁な消灯などでエネルギー使用量の削減に取り組んだ。その結果、炭素排出量は3614トンとなり、前年比で394トン減少した。

また、生ゴミ分解処理機を活用するほか、紙やペットボトルなど資源ゴミの分別を推進。3R(リデュース=減量、リユース=再使用、リサイクル=再資源化)を促進するなどし、一般廃棄物排出量は9万512キロとなり、前年比で1万3975キロを削減した。コピー用紙は、26年と比べて29万枚の削減となった。

部署ごとの取り組みとしては、職員同士の意識啓発として、エコバッグやマイ箸の持参の呼び掛け、プチエコ学習会などを実施。参拝者への意識啓発としてエコクイズの掲示、弁当ゴミの分別呼び掛けといった具体的な取り組みが行われ、環境意識の向上が図られた。

教団本部は昨年2月、ISO14001の国際規格にのっとったこれまでの実績と成果を踏まえた上で、国際規格を更新しない方針を決定。来年の教団創立80周年を機に、「立正佼成会版EMS」(Rems)を構築、運用する予定だ。今後も、環境への取り組みを菩薩行の一環と捉え、環境に配慮した取り組みを継続する。

今年次からは、4月に完成した普門メディアセンターも新たにEMSの対象となる。同センターには本部の部署のほか、事業体などが事務所を構える。事業体職員にも環境に対する意識向上を求め、共に炭素排出量や一般廃棄物のさらなる削減に取り組んでいく。