「アフリカへ毛布をおくる運動」 2カ月のキャンペーン期間が終了

キャンペーン終了に寄せて 本会一食平和基金運営委員会の根本昌廣委員長談話

1984年12月、アフリカの広い範囲で大干ばつが発生したことをきっかけに、本会は外務省やNGOなどと協力し、アフリカの人たちの身を守る毛布を現地に送り始めました。それ以来、「アフリカへ毛布をおくる運動」として取り組み、昨年までの32年間で411万7325枚の毛布が22のアフリカ諸国に届けられてきました。

1984年10月、私は、アフリカ8カ国の飢餓状況を視察するため日本政府が組織した官民合同の調査団の一員として、本会から派遣されました。

最初の訪問地であるモザンビークでは、作物が育たず食物が枯渇するとともに、昼夜の寒暖差により病死や餓死をする人が後を絶ちませんでした。その状況を目の当たりにして、やり場のない悲しみと憤りが込み上げてきたことが、昨日のことのように思い出されます。日本など先進国で物質的に豊かに暮らす人たちがいる一方で、アフリカの人たちは生きる糧を奪われ、生命が脅かされている。この間にある格差を無くさなければ、世界平和は実現しないと痛感したのです。

今年、「アフリカ毛布ボランティア隊」に同行し、再びモザンビークを訪れました。以前のような飢餓の状態からは回復しているものの、多くの人がHIV(エイズウイルス)に感染していました。そうした方々に毛布を配付しましたが、毛布そのものの数が足りずに受け取れなかった方がいたことに胸が痛みました。さらに、過去に毛布を受け取ったご家庭を何軒か訪問させて頂きました。経済的な格差が生じつつあり、現地の人々の暮らしが以前より良くなったと言える状況では全くなく、むしろ毛布はもっと必要になっていると感じました。

「アフリカへ毛布をおくる運動」は、「私たちは大いなる一つのいのちに生かされた同根の兄弟姉妹である」という「一乗」の精神に基づいています。そこには、「援助する側」「援助される側」といった隔たりはありません。アフリカの人々のことを、同じ地球に住む私たちの“家族”として考え、思いやりの気持ちで本気で寄り添っていくことの大切さが示されているのです。

そうした地道な行動の積み重ねによって、国や宗教、文化、経済などの違いから生じる格差は消え、世界平和が実現していくのではないでしょうか。今後も、多くの人たちの賛同を得ながら運動の輪を広げていく所存です。より一層のご協力をお願い申し上げます。