「一食を捧げる運動」啓発――心をつなぐ思いを届ける

みんなの真心がウクライナの子どもの心を癒やす

在日ウクライナ大使館 支援物資コーディネーター レーシャ・トカル

立正佼成会の少年部の皆さまが「ドリーム・ギフト」を通じて、ウクライナの子どもたちへの支援に取り組んでくださることに感謝の思いでいっぱいです。

ロシアによる軍事侵攻から2年余り、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)発表(2024年2月時点)によるとウクライナでは現在、約1020万人が世界各地や国内での避難生活を余儀なくされています。その大部分は女性と子どもたちです。父親は自国を守り、母親と子どもは戦禍を逃れ、家族が離れ離れになっている状況です。

ほんの数年前まで、ウクライナの子どもたちも日本の子どもと同じように学校に通いクラスメートと机を並べて授業に臨んでいました。しかし、今、国内では初等・中等教育機関で学ぶ子どものうち、完全な対面授業を受けている子どもは全体の3分の1だけで、オンラインと対面の混合授業、オンライン授業がほとんどです。

クラブ活動も盛んで男子にはサッカーや柔道、女子にはクラシックバレエや新体操が人気でしたが、今は平時のようにスポーツや習い事を思い切り楽しむことはできません。いつ空襲警報が発令されるか分からず、もし出ればすぐにシェルターへ避難しなければならないからです。

一方、国外に避難した子どもたちは、その国の学校で授業を受けるほかに、オンラインで自国の授業にも臨んでいます。膨大な学習量に加え、言語や文化の壁に直面して相当なストレスを抱えていますが、避難先の人々の温かな触れ合い、支えのおかげさまで、子どもたちも、そして、母親たちも異国で生活を送ることができています。

ドリーム・ギフトは、紛争で傷ついた子どもたちが人とのつながりを感じ、喜びや希望を抱くための一助となることを願った活動と聞いています。皆さまの真心はウクライナの子どもに届き、心を癒やすとともに将来への大きな励みになると確信しています。

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