教皇が2025年の聖年を布告 1975年の聖年には本会も参加(海外通信・バチカン支局)

カトリック教会の聖年の歴史には、立正佼成会との交流も刻まれている。第二バチカン公会議(1962~65年)が閉会に向かっていた1965年、庭野日敬開祖が教皇パウロ六世とバチカンで謁見(えっけん)し、70年には京都で「第1回世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)世界大会」が開催。74年には、本会による国際活動が公式に開始された。

74、75年の定例聖年は、『刷新と和解』をテーマに実施された。74年のクリスマスイブに執り行われた開扉の式典には、本会の「バチカン市国訪問団」(団長・川手康太郎理事=当時)が参加。翌75年の閉扉の式典には、「バチカン訪問青年使節団」(団長・庭野欽司郎青年本部長=同)が出席した。この時、フォコラーレ運動(カトリックの在家運動体、本部・ローマ)、「カリスマ運動」(カトリック・プロテスタント合同の刷新運動)などと対話を行い、「ローマ少年の町」(青少年育成センター)やアッシジを訪問し、カトリック教会との親交を深めた。

特に、閉扉の式典でのミサには、本会使節団の団員が、教皇パウロ六世に贈り物を手渡す場面もあった。第二バチカン公会議によるカトリック教会の刷新が進んでいたとはいえ、仏教徒がミサ中に教皇へ直接、贈り物を手渡すとことは稀(まれ)な出来事だった。庭野開祖と教皇パウロ六世の出会いが実現してから、10年が経過していた。

そして、2000年に開催された「大聖年」の機会(1999年10月)に執り行われた「諸宗教者による対話と祈りの集い」には、庭野日鑛会長が出席した。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)