「“白旗”を掲げて和平交渉を――教皇がウクライナに進言」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)

バチカンがフランスの中絶に関する憲法改正に反対

フランス議会は3月4日、女性が人工妊娠中絶を選択できる自由を保障する改正法案を賛成780票、反対72票で可決した。

同国では1975年に中絶が合法化され、国民の80%以上が、憲法規定によって女性が中絶を選択する自由に関する権利を認める方針に賛同していた。中絶の権利を憲法で認めたのは世界でも初めてのケース。国連の定める「国際女性デー」である3月8日には、法案の成立を祝う特別式典がパリでマクロン大統領臨席のもと開催された。

だが、「バチカン生命科学アカデミー」のヴィンチェンツォ・パリア院長(大司教)は、法案可決の数時間後に声明を公表し、「普遍的な人権が認められている時代にあって、(中絶という)人間生命を抹消する“権利”があってはならない」とフランス議会の決議を非難した。