光祥次代会長がインド訪問 サルヴァジナ・ピータ聖座交代式に参列

シュリ・クリシュナ寺院のラージャンガナ・ホールでスリ・スリ・スグネンドラ・テールタ・スワミジ(写真右から2人目)の就任を祝うスピーチを行う光祥次代会長

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)国際共同議長を務める立正佼成会の庭野光祥次代会長は1月17日から19日まで、インド南部のカルナータカ州ウドゥピを訪れ、WCRP/RfP国際共同会長でヒンドゥー教指導者であるスリ・スリ・スグネンドラ・テールタ・スワミジ(スワミジは聖者の意)のサルヴァジナ・ピータ聖座(シュリ・クリシュナ寺院のトップ)への交代式(Paryaya=パリヤーヤ)に参列した。本会から和田惠久巳総務部長、根本昌廣参務が随行した。交代式には、WCRP/RfP国際共同議長のヴィヌ・アラム博士(シャンティ・アシュラム会長)も出席した。

ウドゥピのシュリ・クリシュナ寺院は、13世紀頃にヒンドゥー教ドヴァイタ学派の創始者、シュリ・マドヴァチャリヤ聖者によって建立された。シュリ・マドヴァチャリヤ聖者は、自らの教えを世界中に広めるために八つの「マータ(修道会)」を設立し、8人の弟子にその指導を任せた。八つのマータの最高位(スワミジ)が、2年ごとに交代でシュリ・クリシュナ寺院の聖座(サルヴァジナ・ピータ聖座)に就任するしきたりになっている。

スリ・スリ・スグネンドラ・テールタ・スワミジは、12歳で八つのマータの一つ、プティゲ・マータの最高位に就いた。以来、寺院のしきたりに沿って3回の就任を経験。今回の就任は15年ぶり4回目となる。

1月18日の深夜2時、スリ・スリ・スグネンドラ・テールタ・スワミジはウドゥピの神聖な池で沐浴(もくよく)した後、伝統的な神への礼拝(プージャ)を行い、他の指導者と共にシュリ・クリシュナ寺院を目指して行進を開始。寺院に到着したスワミジは、前任の聖座との正式な交代式に臨んだ。

その後、早朝4時から寺院敷地内のラージャンガナ・ホールで一般公開の式典が開催された。海外ゲスト(主賓)として招待された光祥次代会長は、着物姿で式典に出席。3000人を超えるヒンドゥー教徒が見守る中、舞台に登壇し、就任を祝うスピーチを英語で行った。

早朝4時から行われた式典には3000人を超えるヒンドゥー教徒が参集した

スピーチでは、冒頭、聖なるウドゥピの地で行われるパリヤーヤに招待を受けたことへの謝意を表明。その上で、ヒンドゥー教の叡智(えいち)がヒンドゥー教徒だけではなく、「人類にとってかけがえのない贈り物」であると強調し、スリ・スリ・スグネンドラ・テールタ・スワミジのWCRP/RfPにおけるリーダーシップの重要性と、ヒンドゥー教徒だけではなく「人類家族全体にとっての奉仕者」であることを伝えた。

さらに、ヒンドゥー教と、自身が信仰する仏教がともにインドで育まれたことに触れ、二つの宗教が世界中に広まり、そして現在、真の平和のために協働する兄弟姉妹となっていることを感じていると述べ、「これからも善と平和のための同盟にヒンドゥー教の美しさと真理をもたらしたスワミジと、そのコミュニティーの皆さまと共に歩んでいきたいと思います」と語った。

この後、スリ・スリ・スグネンドラ・テールタ・スワミジから記念の盾と感謝の言葉が贈られた。スワミジは、世界平和を目指して国際的に活躍する光祥次代会長の功績をたたえつつ、WCRP/RfPの仲間として共に活動できることを喜んだ。同日夕、スワミジと面会した光祥次代会長は、聖座就任への祝言を改めて伝え、インドの地でヒンドゥー教徒の篤(あつ)い信仰心に直に触れた感動を語った。

シュリ・クリシュナ寺院でスワミジと面会した光祥次代会長

翌19日、光祥次代会長はウドゥピ郊外にあるスリ・ジャナルダナ寺院とスリ・マハカリ寺院を見学後、イエルール地区に移動し、ケムンデル小学校を訪問。同小学校はスリ・スリ・スグネンドラ・テールタ・スワミジの支援により学費や給食費、スクールバスなどが無料で、ヒンドゥー教だけでなく仏教やキリスト教などさまざまな宗教を持つ貧困家庭の子ども約120人が通う。光祥次代会長は同校の給食プログラムに参加して配膳を手伝うなど子どもたちと交流した。

夜には再びシュリ・クリシュナ寺院に戻り、パリヤーヤの終盤に行われる儀式に参列。同寺院の信徒たちが御神体を乗せた山車を引き歩く勇壮な姿や、フィナーレを飾る雄大な花火を見学した。最後に、再びスワミジと面会した光祥次代会長は、昼間に訪問したケムンデル小学校での子どもたちとの触れ合いの様子を報告し、WCRP/RfPや庭野平和財団の活動について意見を交換した。