『能登半島地震の犠牲者を悼む教皇』など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)
教皇とゼレンスキー大統領が、ウクライナ和平提案について電話会談
ウクライナの駐バチカン大使館は昨年12月28日、ローマ教皇フランシスコとゼレンスキー大統領が電話会談し、「ウクライナの主張する和平提案への協力に関して話し合った」と明かした。ゼレンスキー大統領は、「教皇のウクライナ国民に対する霊的な支援に謝意を表明した」とのことだ。
ギリシャの「オーソドックス・タイムス(Orthodox Times)」(正教会のメディア)の電子版は翌29日、ゼレンスキー大統領が「X」(旧ツイッター)に投稿した発言を引用しながら、教皇との電話会談が「意義あるものだった」と評価し、報道している。
ゼレンスキー大統領は、「X」の投稿を通し「われわれは、ウクライナの和平提案を実行に移すことについて話し合った」と公表。「世界80カ国以上の政府代表が、この和平提案の実現プロセスに参画しており、これからも増えていくだろう」と明らかにした。ウクライナの提唱する和平提案に関して、スイスのダボスで国際会議が予定されているが、詳細はいまだ公表されていない。
また、教皇が昨年12月25日にバチカンから世界に向けて発信したクリスマス・メッセージの中で、「幼子キリストを見つめながら、ウクライナ和平を嘆願する。殉ずるウクライナ国民に対する霊的、人間的連帯を再確認し、われわれ一人一人の支援を通して、彼らが神の愛を具体的に体感できるようにしよう」と呼びかけたことに謝意を表明した。
12月30日には、バチカン外交の最高責任者である国務長官のピエトロ・パロリン枢機卿、ウクライナ和平のための教皇特使としてキーウ、モスクワ、ワシントン、北京を訪問したマテオ・ズッピ枢機卿(イタリア司教会議議長)に「優秀賞」を授与する大統領令に署名した。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)