「能登半島地震」教団本部に災害対策本部が設置され、被災地の状況を確認(動画あり)
令和6年1月1日午後4時10分、石川県能登半島地方を震源とする「能登半島地震」が発生した。地震の規模を示すマグニチュードは7.6。東日本大震災以来の大津波警報が、同県能登地方に発表された。こうした事態を受け、立正佼成会本部は2日、熊野隆規理事長を本部長とする災害対策本部を設置。被害の大きい能登地方を包括する金沢教会を中心に、揺れや津波を観測した北陸、新潟両支教区の被災状況を確認し、被災者への支援やニーズの把握などを行うため、同教会に本部スタッフを派遣した。また、3日には、教団ウェブサイトを通じて『能登半島地震により被災された皆さまへ』と題するメッセージを発表した。
新しい年の平穏と多幸を願うはずの元日に北陸地方を大地震が襲った。石川・志賀町で最大震度7を観測したほか、同県北部を中心に近隣の新潟、富山、福井県などで震度6弱から5弱を記録した。甲信、関東、中京、近畿地方などでも揺れが検知された。さらに、東日本大震災以来となる大津波警報が石川・能登地方に発表され、輪島市には1.2メートルの津波が到達。北海道から九州にかけて日本海側の広い範囲に津波警報、注意報が出され、多くの人が避難を余儀なくされた。
内閣府によると10日現在、地震や津波で甚大な被害を受けた石川県で、家屋の倒壊や土砂崩れ、火災などによる死者は196人、連絡の取れない安否不明者は1人。自宅に帰れない避難者数は2万6181人となり、町役場や小中学校などの避難所に身を寄せている。県内では水道や電気といったライフラインの復旧が進まず、輪島市を中心に12市町の約5万8000戸で断水が続いている。
また、富山県では強い揺れによって家屋の損壊が多数発生。高岡、氷見など5市で断水が起き、68人が避難生活を送っている。新潟や長野県などでも道路の液状化や家屋の損壊が発生している。
これまでに、教団の災害対策本部に寄せられた情報によると、津波警報が出た奥羽、東北、北陸、新潟支教区の日本海側の教会で、沿岸部に住む会員の多くが一時的に高台などに避難した。また、家屋の倒壊や断水被害を受けた富山・氷見市を包括する高岡教会では、教会の備蓄水などを被災した会員に提供した。
最大震度7を観測した志賀町を包括する金沢教会では、地震や津波、土砂災害によって自宅に住めなくなった会員が今も避難所での生活を続けている。特に、内灘、羽咋(はくい)、能登の3支部の被害は甚大で、発災直後から教会役員を中心に会員の安否や避難状況の確認が懸命に行われているが、能登支部では生活道路の崩落や液状化、交通渋滞によって被災地域に入れない状況が続いている。
教会施設については、金沢教会道場で窓ガラスが割れる、ご宝前のロウソクや事務所のキャビネットが倒れるなどしたが、建物自体に大きな被害はなく、本部から派遣された調査隊の拠点となっている。一方、能登地方の内灘、能登両支部の法座所は、地震の揺れや道路の液状化などにより建物が傾き、倒壊の恐れがあることなどが災害対策本部に報告された。
地震発生直後から教団では、各教会の被害状況の確認を開始。災害対策本部を立ち上げ、教会長、現地教務員、教会幹部らと協力して会員の状況把握に努めるとともに、本部スタッフによる調査隊を被災地に派遣した。調査隊は3日夕、金沢教会に到着した。
翌4日から教会幹部と連携して会員の被害状況の確認を行ったほか、内灘、能登両支部の法座所を視察。羽咋支部の会員宅を訪問し、水や簡易トイレなどの物資を届けた。救援物資は、中部教区の各教会が飲料水や食料品をはじめ、簡易トイレ、ブルーシート、毛布などを搬送した。
また教団は、地震発生を受け、被災者に向けたメッセージ(教団ウェブサイト)を発表。一刻も早く地震が収束し、復旧が進むことを祈念するとともに、信仰を支えに声を掛け合い、力を寄せ合い、思いを届け合いながら共に困難を乗り越えていこうと呼びかけた。